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他人に漫画の理論を教えたくなっちゃう話

お世話になっております。若林です。

普段漫画についていろいろ考えてるので、他人にその理論を話してみたくなることがあります。
自分の漫画理論を語るのって、めーちゃめちゃ楽しいんですよ。
このコラムもそういう欲求を満たしたくて書いてるところがあります。

でもそういうことを話してる時、気持ちが大きくなりがちで、何度も反省してきました。

特に自分より立場の低い人、漫画家志望者に対して話してる時ですね。
相手のためとか思いながら、自分の言いたいことを言っちゃうことがよくあります。
こっちは正しいこと言ってるつもりですけど、正しければいいってもんじゃないですし。

それに長いこと悩んでるような漫画家志望者って、大体自己肯定感がどん底なんですよ。
なのでこっちが何を言っても、ありがたそうに聞いてくれるんです。
それで余計にこんがらがっても、大体の人は自分の物分かりが悪いせいだと思ってくれますし。

自分でやってる時は気付きませんでしたけど、他人がやってるのを見てハッとしました。
間違っちゃいないけど言っても意味ないことを言ってる人を見て「自分も同じことやってるんだな……」と。
朗々と語る人ほど、特に結果を出せてなかったりしますし。

自分の理論を話したがるのは、自信の無さの裏返しなのかなって思ったりもします。

最近は、人に何か教える時は、なるべく質問だけして相手に考えるきっかけを与えるようにしてます。
あるいはヒントになるような作品を教えてあげたり。
それでも「こうしたらいいじゃん」って言うこともありますけど、その後それが正しかったのかしばらく悩みます。

こういう不特定多数の場で話す時は、主語の大きい話し方をなるべく避けるようにしてます。
「あくまで個人の話ですよー」っていうふうに書いてるつもりですが、実際どう伝わってるんでしょうか。

人に何かを教える行為って、承認欲求を満たすためだけの行為になりがちだなって思います。
上司が部下にうっとうしい説教をするのと一緒かもしれません。
やだなーそういう大人になりたくない。やだなー。

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