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作家の人となりを表に出すことについて思うこと

お世話になっております。若林です。

僕は基本的に、作家は人となりを表に出さないほうがいいだろうなと思ってます。
作品を純粋に楽しむには、作家の人となりはやっぱりノイズになるだろうなと。

「作品と作者は切り離して見るべき」という意見もありますね。
でもそれをできる人は少ないでしょう。
そもそも作品には作者の人格が何かしらの形で反映されるものだと思いますし。

僕はよく「女性だと思ってました」と言われることがあります。
読者の方からもそうですし、編集さんからも言われたことがあります。

僕も「女性のフリして活動しとけば良かったな」と思うことがよくあります。

みんながそう思ってたんなら、そのままの方が読者もしっくりきてたと思うんですよね。
そしたら僕も自分の人となりを一切出さず、謎の女性漫画家として活動してましたよ。

作家の見えない部分を、読者は美化して想像してくれますしね。

それでもまだ男ってことだけ表明して、あとは黙ってれば良かったのに、出しゃばってしまって。
当時漫画の最後にあとがきをよく書いてたんですけど、その内容がキモかったらしいんですよね。
あれで離れた読者もいましたね。めっちゃ後悔しました。

でも一度人となりを出してしまったら、もう引っ込みが効かないじゃないですか。
どうせ隠したってバレますし。

なので最近は「見せたい自分」を演出することにしました。

Twitterではいつも元気いっぱい風なのは、そういう理由です。カナコっぽく見せとこうと。
そして何でもないことでも「!!」を付けて呟くと、元気良さそうに見えます。
作者の人となりが漫画を読む時のノイズになってしまわないように、当たり障りない感じを心がけてます。

むしろ作家の人となりが、作品にとってプラスにならないかと試行錯誤しているところです。

逆にこういうコラムでは、作者の人となりに興味を持ってる人が読みに来ると思うので、普通にしてます。
ただ変に個性を出して嫌われるのが怖いので、なるべく真人間に見えるようにしてますけどね。

ここまで書いて、若干人となりを出しすぎたんじゃないかって怖くなってます。

僕もまあまあ調子に乗って嫌われてきた人間なので、人に嫌われるのは怖いです。
そんな人間が漫画を描いて自分の世界を表現してるというのも、不思議ですね。

※追記
実は漫画の後に書いていたあとがきを楽しみにしてくれていた人もいるんですよね。
僕の心が弱いばっかりに、嫌われるほうが辛くてあんまりしなくなったんですけど。
そういう人がいてくれたので、今もこうしておっかなびっくり駄文を書いています。
楽しんでくれる人がいるのは本当に救いです。ありがとうございます。

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