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「普通」じゃないかもしれないけれど


うちの夫は、「超」のつく照れ屋である。

いわゆる「カップル」が好んで行いそうなことが、大の苦手なのである。


だからなのか、世の男女が普通に通るような道を、私たちは歩んできていないのかもしれない。


例えば、プロポーズや記念日の定番(だと私は思っている)「夜景の見えるレストラン」とか、「高級なコース料理」は、夫の超苦手分野だ。

まず、高級レストランに入れるような格好をすることができない。

夏物はTシャツと短パン、冬物はパーカーとジーパンしか持っておらず、襟付きのシャツを着ていることろは2~3回しか見たことがない。足元は、よっぽど寒くなければ、基本的に裸足にクロックスという出で立ちである。

また、写真に写るのが苦手。私から誘わないとまず2人で写真を撮ることはないし、撮ったら撮ったでニコリと笑うこともない。だいたいの写真はむすっとして写っている。(怒っているのではなく、笑顔の作り方が分からないだけだと思う)


そんな夫なので、結婚が決まる前から、結婚式をすることは諦めていた。

タキシードを着ること自体夫にとっては最高難度なのに、白いドレス姿の私と並んで親戚の前に立つなんて、もってのほか。

教会で誓いのキスでもしようものなら、顔から火を吹いて倒れてしまうだろう。

(私も一生に一度くらいはウエディングドレスを着てみたかったので、フォトウエディングはしたが、その時の夫の挙動不審ぶりといったら、思い出してもかわいそうになる。)


世の女子が憧れるようなキラキラしたことが、とにかくできないなのである。

だから私は、恋人ができたら・・・結婚したら・・・と憧れていたことを、夫の照れ屋を理由に諦めることが多かった。




だけど、私は夫のことがすごく好きだ。

それはたぶん、前述したような行動が、本当に照れているだけで、「面倒くさい」という気持ちからのものではないことを、日々一緒にいて実感できるからではないかと思う。


誰にでも得意・苦手はある。

そんな夫の行動を「女心を分かってない!」と責めたくなるときもたまにはある。

だけど、毎日寄り道せずまっすぐ家に帰ってきて、食器洗いをして、ごみ捨てをしてくれる夫を私は知っている。(ちなみに食器洗いは破滅的に雑である)

何より、仕事で嫌なことがあっても、家では笑っていてくれる。


理想を押し付けるよりも、してくれていることに目を向けて、ゆったりとした気持ちで夫と向き合っていきたい。


ロマンチックなプロポーズをしてくてれなくても、笑顔のツーショット写真がなくても、言葉で愛情表現してくれなくても、夫なりの方法で私を大切にしてくれていることを、敏感に感じ取れる、そんな自分でいたい。


(ゴミ箱が満杯になって昨日から蓋が閉まらなくなっている。頼むぞ夫よ。)

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