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きつね日和初単独ライブ『荼枳尼天』(2024.9.16)前編

2024年9月16日、漫才コンビきつね日和の初単独ライブが開催された。
会場は座・高円寺2。

若手芸人の初単独ライブ会場としては異例のキャパ300席。メディアの露出がほとんどない彼らにとって大きな挑戦だったが、本人達の頑張りと多くの人達からの応援や協力の甲斐もありチケットは完売御礼。

「お笑いライブが初めての人も楽しめるようなエンタメ要素も取り入れる」
「これを見たらきつね日和の古参と名乗れるように漫才のベストアルバム的なライブにする」

事前に配信等で予告していた通り、公演は休憩なしの2時間漫才を12本披露
しかし、会場にいた人達全員が楽しめるような演出とライブ構成で最後まで大盛り上がりのうちに幕を閉じた。

ここでは当日見た景色を記したい。


17:00物販開始

開場の1時間前から会場ロビーではグッズ販売を行っていた。
オリジナルTシャツやポスターの他に用意されたのが「おみくじ」

和紙風の紙に印刷されたおみくじ。おいなりさんと松本さんが手作業でカットしたとか。

1回500円でハズレ無し。きつね日和が各ライブ会場でお客さんに渡しているオリジナルステッカーやポストカードがあれば無料で1回引くことができる。
景品はサイン入りTシャツ、サイン入りチェキ、サイン入りポスター、サイン入りポストカード、サイン入り私物、ステッカーやオリジナル米、ポケットティッシュ。

ゆるキャラのイラストは松本さん作

おみくじもグッズもデザインは全て本人達が手がけた。グッズはサイン入りのものがほとんど。
前日にはサインを書きながら初単独ライブの告知をツイキャス配信で行った。

グッズのみならず、取り置きチケットにもサインを書いていた2人。

物販の行列は途切れることなく、私物などの当たりが出ればみんなで拍手したり、獲得した景品を写真に撮ったりと賑わっていた。

ロビー内には徐々に荼枳尼天Tシャツを着た人が増えていく。

18:00開場

2人の大先輩「三拍子」と、松本さんが推している「にっぽんワチャチャ」からのフラワースタンド

来場特典としておいなりさんデザインのキラキラステッカーを受け取り入場。
会場内には松本さんこだわりの客入れBGM。後日、セットリストと選曲理由が公開された。

客席がどんどん埋まって行き、開演の時間が迫る。

前説(ミギワソラさん)

突如、金髪メガネの男性が舞台に現れる。
きつね日和の後輩、現役大学生ピン芸人のミギワソラさん。
数ヶ月前にコンビを解散して以来、事務所ライブにも出ていないそうだが堂々とした前説で会場を盛り上げた。

タモリ風の拍手の練習

前節のみならず、ライブ本編でも企画MCやエンディングで大活躍を見せる。

18:30開演

開演前

BGMが大きくなり、反して照明は暗くなって行く。一瞬の静寂と暗闇の後、舞台上のスクリーンにオープニングVTRが投影された。

ロケ地は赤坂の豊川稲荷神社東京別院。
昼と夜のコントラスト、蝋燭の炎や線香の煙、赤字に白い狐面のアニメーション、何かを探すように境内を走る2人。

初単独ライブの2日前に行った豊川稲荷神社東京別院

綺麗な映像にオシャレで格好いい編集。初単独ライブとは思えない程クオリティの高いVTRに目を奪われる。

暗転。舞台上にサンパチマイクのシルエットが浮かび上がる。

出囃子が鳴り、明転。遂にきつね日和が登場。

会場全体から大きな拍手が起こり、いつまでも鳴り止まない。きつね日和だけに送られる拍手を受けながら、2人は客席を隅から隅までずっと見渡していた。


1本目は「絵描き歌」

おいなりさんの1回目の「ダメだろー!」で待ってましたとばかりに拍手。「おぉーい!!」でメガネが飛んでも拍手が起きる。
もちろん、拍手だけではなく大きな笑い声も会場全体から何度も聞こえる。

M-1グランプリでは予選ごとにネタを変えるコンビが多い中、昨年のきつね日和は1回戦から準々決勝までこの「絵描き歌」1本で勝ち進んだ。オープニングに相応しい自信の漫才。

「もういいよ!どうもありがとうございました!」で締めるとオープニングトーク。1本目の漫才や本公演の概要などを話す。

そして、とある発表。

9月2日に投稿した初単独ライブ告知動画で「チケットが100枚しか売れていない」と明かし、囲碁将棋さんに心配されたきつね日和。

それでも諦めずに頑張り続け、100枚の手売りチケットは3日前に完売。

前日にはぴあ販売分も「あと数枚で完売」となった。

果たしてその後、チケットの売れ行きは…?

舞台上に表示される「完売御礼」の4文字。
客席からは再び割れんばかりの拍手。

チケット完売に向けて

5月に主催ライブ「漫才狂い〜まんぐる〜」で情報公開してからの4ヶ月間、2人はチケット完売に向けて出来る限りのことをして来た。

ライブでは終演後にフライヤーやポストカードを「ありがとうございます。」の言葉と共に来場者に直接手渡し。フライヤーはA4サイズと持ち帰りやすい名刺サイズの2種類。

5月の主催ライブで手渡しされたフライヤー(A4)
サイズ感がわかりにくいが名刺サイズ(チケットぴあに飛べるQRコード付き)

チケットの手売りも積極的に行った。ライブ会場のみならず、松本さんがプライベートで行ったアイドルイベントでチケットを購入してくれた方もいたらしい。

開催1ヶ月前からはYouTubeに企画動画、Xにカウントダウンの動画や写真を毎日投稿。先述の囲碁将棋さんやカラタチさんなどの芸人さんも協力してくれた。

公式infoはオフショット写真を毎日投稿。

出演したライブ、ラジオ番組やAbemaのミッドナイト競輪、毎週MCを務める配信番組「マシェバラeveryday」でも視聴者やリスナーに熱心に告知。
ただ「おもしろいので来てください」だけでなく、2人をよく知らない人も興味を持ち、見に行きたくなる言葉を選んでいたように思う。

前日の事務所ライブで
マシェバラスタッフさんもテロップを作って応援してくれた

会場にはYouTubeの企画でポスターを貼らせてもらったお店の人達、マシェバラで出会ったアイドルやそのファン、ライブで共演した芸人さんのファン、2人の同級生やバイト仲間、松本さんのアイドルオタク仲間など実に様々な人達が集まった。よく行くお笑いライブよりも年齢層が幅広く、男女比も偏りがなくて実に老若男女様々な客席だった。  

単独ライブはその芸人さんのファンが集まることが多いが、きつね日和の初単独ライブは別の誰かのファンも数多く来てくれた。

そんな様々な人が集まった座・高円寺2。

きつね日和は12本の漫才をどうやって飽きさせずに見せたのか。お笑いライブが初めての人も楽しめるエンタメ要素とは。

ファンからのバルーンスタンド

中編へ続く。

後編。










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