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ウィーン日記|生きちゃってます

 久しぶりになっちゃった、こういうゆるやかな文章。はじめてのウィーンでの厳しい冬をなんとか越しています。みんなもなんとか人生をやっていることをいのります。

 去年の年末にスピノザ研究者にあって、波をよく思い浮かべるようになった。世界は大海原で、自分はサーファーで波に乗ろうとしている。自分は全体の一部で、それはどうにもならなくて、視界にうつる波も決まってる。どう乗っていくか考えて、うまく乗れたらうれしいし、体のバランスを崩してバシャンと海の中に落ちたりもする。今日は、沖に進んだり、波に乗ることを諦めて、海にぷかぷか浮いてた。世界にNoを突きつけた、ということにした。

 自分の頭のなかにある思考に言葉で形を与える過程がすきだなあと、授業終わりの小レポートを書きながら思った。これは麻薬みたいな快楽がある。昨日は、午前中のドイツ語の授業を終えて、午後はレポートを書いて、夜はオーストリア人の学生と日本語とドイツ語で会話の練習をするサークルに顔を出した。レポートを書き終わったのが19時まえとかだったから、あたりはもう暗くて、夜風が気持ちよかった。文章を書いて気持ちよくなれるなんて、なんて安上がりなんだ、と思う。羊文学のBurningを聞きながら、道中すこし小躍りした。昼に食べた、スシ・マルクトの中華弁当がよく消化されている。ご飯かヌードルの上に、10種類くらいの炒め物を選んでのせてもらうスタイルのお店。うまく波に乗れた日。

 ドイツ語のイングリッド先生がすきなのに、今日はドイツ語の授業をやすんでしまった。寝ては、水を飲み、冷蔵庫にあるものを拾っては食べ、アイシールド21とスパイファミリーをだらだらと見て、また寝た。それを2回くらいやった。先生は、誘惑的な、魅力的なという意味のverlockendeという単語のことを、きてきてきてって感じ、とちいさく手を動かして説明してくれた。その後の、めっちゃ美味しいチョコレートとか、豪華客船のクルーズとか、という説明よりも、きてきてきて、をやたら覚えている。先生と会えるのも、もうあと1週間もないのか〜〜これからは一人でドイツ語やらないといけないのか。一人でコツコツできるようになったら、次の学期はバレーボールの授業行こうかな。


 チャットGPTに四柱推命と西洋占星術の占いでおれのこと分析してみてよ、と言ったら、結構当たっててわろた。すこし見せます。

四柱推命
あなたの命式からは、「土」「火」「金」 のエネルギーが強調されやすいと考えられます。以下がバランスよく働くことで、地に足をつけて理想を着実に形にする力を持ちます。
の多さによる安定感・粘り強さ
の影響による情熱や思いやり
(あなた自身を表す要素)の筋の通った姿勢、論理性、責任感

中国の四柱推命

西洋占星術
あなたの場合は、
革新的かつ人道的(太陽・水星水瓶×金星・木星魚座)
安定感と持続力(Asc牡牛)
深い探求心と冒険心(火星射手×第8ハウス)
が組み合わさった、とてもユニークなホロスコープをお持ちです。「革新的・知的な面」「安定・継続志向」 が融合しているのが特徴です。

さらに、金星・木星が魚座第11ハウスに位置することで、思いやりや共感力がコミュニティ活動や対人関係で活きる という側面があります。

ヨーロッパの西洋占星術

へ〜〜!そんなザ・安定ではないけど、真面目にコツコツを美徳としながら、ユニークな新しさを求める気持ちも同居してるし、知的な論理と感情的な共感は、どっちにも惹かれてるなと思う。

中国とヨーロッパの占いなのに、結果がちょっと似てるのもおもしろかった。四柱推命はぜんぜん知らなかったから、また面白い世界見つけちゃったな、という感じ。勉強してみたいなあ。こういうスピリチュアルな理論と現実が繋がってるのを見つけるのがすき。

 四柱推命からは「感情を発散・循環させる習慣をもつ」といいと言われた。俺は水が足りないらしくて、スポーツ、音楽、アートなど、自分の気分を“流し”たり、日記やブログ、誰かへの相談などでもやもやを”流す”のがいいらしい。あとは水辺もいいんだとか。たしかに、足りないものを水辺で補ってる気がする。海を見るのがすき。日本にいた時は銭湯がリフレッシュだったから、こっちでは何だろう、プールでも行こうかな。

 あとは、「新しい挑戦やスキルの伸びを自力だけで賄う場面が多くなるかもしれません」にはぐさり。いろんな人に教えをこいて、助けを求められるようになりたい。

 西洋占星術からは「(第12ハウスの土星が示すように)定期的に自分の内面と向き合い、心の声を無視しないことが長期的な人生の鍵」というアドバイスもいただいた。「(牡牛座と水瓶座はいずれも変化より持続を好むため)安心できるペースやスタイルを崩したくない気持ちがあるかもしれません。意識的なチャレンジが鍵となります。」たしかにそのとおりだ。

 占い好きだからだらだら書いちゃった。占いは当たってても当たってなくてもいいのが良いところだなと思ってて、自分がぐさりときたところ、図星なところって裏に何かしらが隠れてるから、それが暴かれるのがおもしろい。自分にとっていま必要な言葉だったり、認めたくないけど向き合わないといけない現実だったりする。

 なんか、生きちゃってるなあという感じがします。惰性でも意欲でもなくて、ただ生きてる感じがする。それが良いとか悪いとかじゃなくて、今は人生がただそばにある。ほかに選択肢や分岐もあった気はするけど、まあ、生きちゃってるからね、と思う。これがおれの人生だ、と確かに肯定するというよりは、もう生きちゃってるってて、生きるか死ぬかを選んでいる訳じゃない。自分が主体として選択して生きている、というよりは、もう生きちゃってて生かされてる感じ。ぷかぷかと漂いながら、たまに波に乗る。自分で漕いで沖に出ようと、サーフボードを手懐けようと、たまに頑張ったりもする。

 人間は不完全だから、これが最善だったのかなんてわからない。不完全でよかったなと最近は思う。もし人生の分岐も可能性も全部わかっちゃったら、もっと悩んでたんじゃないかな。

 いまも、哲学してる人を見るとざわざわする。収入も心配で、周りを見てああだこうだと勝手に不安になったりもするけれど、おれの人生はなんかこういう感じで、おれはなんかこんな感じの人間で、ここに来れてよかったとか、おれがおれでよかったというよりは、これだな、ここにいるな、おれだな、と思う。ただ広くて、底が見えない深さがあって、バタバタともがいてみることもできる。おれはいま、海のなかにいる。哲学で飯が食えるように、がんばってみる。

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建内 亮太
最後まで読んでくれてありがとう〜〜!