レビュー|TSUTAYAで借りた漫画5冊 2022.9
『ブルーピリオド』1巻
このワイン瓶、どうやって描けばいいんだ?と瓶を見て悩む主人公。いやちょっと待て、もうワイン瓶は作者によって描かれている、、この漫画面白いなと思った。将来を約束されることのない芸大受験へと駆り立てられていく八虎がいい。悩みながら、「美大って俺、入れると思います…?」とぎこちなく笑う八虎がたまらん。
これは印象的だった美術部の先生のセリフ。
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『呪術廻戦0』
やさしい人は優しさを見つけるのが上手だと思った。俺も気付ける人でいたい。人の善意に気づく目も優しいということの一つの意味であるように思うから。そういえば、棘が悠仁のことを心配するシーンあったな。
純愛というのは見返りを求めないということで、その混じり気のなさはとても難しい。見返りが同じくらい小さかったら現実的に上手くいくんだろうか、と下世話なことを考えてしまった。でも、好きになってくれてありがとうには震えた。好きになってくれてありがとうか。俺は純愛だと思ったけど、友達からするとそうでもないらしい。乙骨のことを女たらしだと言っていた。
芥見下々先生の絵と言い回し、キャラクターの背景・設定も含めて、漫画として作り込まれている感じがめちゃくちゃ好きだなと思った。タイプだ。
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『ハイキュー‼︎』33巻
遂に来た、烏野vs音駒……!この興奮は止まらない。
試合が始まる時の高まり、主将陣の掛け声、影山のジャンプサーブを綺麗に上げる海、田中のエグインナーを上げた山本、烏野の攻撃と音駒の守備が火花を散らして、もう…最高!!!最初のラリーから最高。
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『違国日記』1巻
こういう作品も楽しめる齢になったんだなと嬉しかった。10年前なら、なんじゃこりゃ、よくわからんと一蹴してしまっていたかもしれない。孤独の時に砂漠の中にぽつんと一人残された、深いかなしみと静かなさみしさと真っ黒な不安は、自分より長く生きている大人やもう亡くなってしまっている先人を求めている。
大人や親や先生がちゃんとしてない時もあって、でも外に出て行く時だったり何かの局面で、きりりとしたカッコいい大人の横顔を見せる。大人ってずるいや、でもカッコいいんだなあ。いつまでも大人になりたいと思っている。
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『健康で文化的な最低限度の生活』1巻
たまたま環境が良くてここまで来れたというそれだけだから、彼らのことをやる気がないとか自己責任だとかさらさら思ってない。生まれた環境だけでその後の人生が決まってしまう社会なんておかしいし、運だけで人生が決定しないために教育があり、共同体があるはずだと思う。
でも、どうしても気持ちが沈むというか、できることなら格差だとか分断だとかダークで切実な話題から目を背けて、のほほんと生きていたい。でも、そうあっていいはずがない、社会をより良くする側に生まれたはずなんだという気持ちにがし、とつかまれている。そっちに行ってはいけないと後ろから腕を掴む誰かがいる。
社会はぐちゃぐちゃで、すさまじい勢いで変わって行くし、時代的に何が何だか分からなくなったというのもあって、自分の人生を精一杯生きることだけでいっぱいいっぱいな感じはあるけど、いつか力をつけて、社会をより良くする側に回りたいなと思った。