労働日記|夜ふかしのレオパレス
眠れない。
SNSの海にもぐるのが不健康だとわかっていても、大学の時のようにいつまでもぷかぷか浮いてしまう。
大学の頃を鮮明に思い出したのは一本の電話で、とても久しぶりな、軽快で優しさに満ちた電話だった。話が早く、無駄がなく、洗練された先輩を聞いて、ああこれだと思った。ほっと安堵するような、げらげら笑ってしまうような、この居心地のよさは、なに?今自分に必要な何かが先輩との時間にあると思った。
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その電話で高鳴ってしまったために今も眠りにつけない。興奮すると眠れないのだ、遠足を待ち侘びる小学生のよう。恥ずかしい。
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短気なのも子どもっぽくて好きになれない。よく他人や物事に関して「許せない」「納得できない」と憤る。ティファール並みにものの数秒で沸騰する。憤りという清らかな怒りならまだしも、苛々か不機嫌のどちらかで出力されるから困る。よくネガティブな感情が顔に出る。これは、、怒り!と気づくまでに時間がかかる。「それ言われんの嫌いなんよね」と怒りを条件反射で叩き出した先輩はすごいなあと思う。ごめんなさいと言う前に感心していた。
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興奮しやすい、沸騰しやすい、そういう熱しやすい所を大学でよく発揮して、ぼろを出していた。そして、それがなくなったのは大人びたからだと勘違いしていた。大人になんかなっちゃいない。幸運にも不幸にも、そういう暖色で熱い方の情念とは無縁の生活を一年間送っていたというただそれだけなのだと、一本の電話と、友人と予定をえっさほいさ組む中で知った。これまでは来月を首を長くして待つことも、好きな人に過度に期待してしまうこともなかった。人に期待することのない無味乾燥な日々だった。
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大学の頃はこうやって、無為に夜更かしをして、強いブルーライトを見続け、体調を崩してさみしい気持ちに浸っていた。だからこうやって興奮して眠れず、頭がずんずんと鳴り始めているのも、さみしい気持ちに片足を突っ込んでいるのも、許せないと気が立ってしまうのも、全部うれしい。
(おわり)
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