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言語化するから全ては前に進み出す
今、リトルプレス「わかば企画」にて、9月発売したい新作の旅行記を7月の脱稿を目指して書いています。編集してもらっているたい子さんに支えられながら、1日に1000字ずつ書いています。
しかし、この年度はじめ、忙しい毎日のなかで、1000字書くというのはなかなかむずかしいことでありました。日々の仕事は忙しく、わたしの頭をいっぱいにする悩み事もあって、原稿は遅々として進みませんでした。
どうすれば、書けるようになるのか。そうやって悩んでいるわたしに「書き続けていれば、楽に書けるようになると思います。書き続けてください」とやさしい声をかけくれたのは、たい子さんでした。その言葉を胸に、わたしは今月のはじめくらいから、1日に1000字書くという目標を立てました。
ただ、それでも1000字を書くのは当初は難しかったです。日本語教師の仕事だけで、45分のコマが週に30コマくらいあります。そこで、書くことができた日は原稿にコメントで、どこからどこまで書いたかを記録し、書くことができなかった日は、書くことができなかった理由を書きました。また、キャッチアップできそうな日があれば、何月何日に2000字書いてキャッチアップすると書きました。
そうすることで、毎日何かの原稿を1000字書くことが習慣化されてきました。ここまで3週間くらいです。そこで気がついたことは「やりたい」「やらなきゃ」という気持ちをガソリンにしていてはダメだということでした。気持ちだけでは人間は動けない。それよりも大事なのは何よりもまず「言葉にすること」でした。
そもそもわたしたちは考えているから言葉にできるのではなくて、言葉にするから、考えることができるのです。それと同じで、気持ちがあるから、できるのではなくて、言葉にするからできるのだと思ったのです。
例えば、これを書いている今も、わたしはどんなことを書きたいのか、自分ではっきりとはわかっていないのです。しかし、書いているとキーボードを叩く指先が、その画面を見つめている目が、そして言葉を捻り出そうとする脳がみんなでわたしをその先に連れて行ってくれる感覚があります。
作家の近藤康太郎さんは『三行で撃つ』という本のなかでこのように書いています。
自分の書いている文章が、当の自分を追い越す。文章が、自分の思想、感情、判断を超えていく。またそうでなければ、文章など書く必要がどこにあろう。
カウンセリングなどで悩みを吐き出すときも、同じようなことが起こります。話しているうちに、自分がどんなことを考えていたのか、それに自分の言葉で気づかされることがよくあります。
もやもやとした感情や気持ちを言葉にするとき、人は自分の気持ちを正確に理解し、動き出せるのかもしれません。
だから、何かを形にしようとか、作品を創ろう、目標を達成しようと思うとき、まずはそれを言語化していかなくては、一歩も前には進めないのです。何をするか、書く。何をしたか、書く。それは自分との対話です。また共に歩む人にどうしたいか話す。なぜ立ち止まっているか相談する。そうやって言葉の力を信じて前に進むことで、全ては動き出すのです。
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