見出し画像

手紙

30歳になった

まさか
結婚して
子供が2人いるなんて

少し前の自分からは想像も出来なかった

別に30歳になったからと言って
特に何かが変わる訳ではないが

夫が結婚式をした式場でのディナーをプレゼントしてくれた

ウエディングドレスを着て歩いた式場を
娘を抱っこし
手を繋いで歩いて
少し初心に帰る


母が
亡くなった祖母が
私が小学生の時にくれた手紙を見つけた

何才の誕生日にもらったのかはもう覚えていないが
祖母の懐かしい字を見て
少し目頭が熱くなる

私が高校生の時に
突然亡くなった祖母

祖母の死後、遺品整理をしていると
ボロボロになった辞書とノート、鉛筆が出てきた

6人兄弟の第1子として生まれた祖母は
母が早くに亡くなり
勉強どころではなかったそうだ

大人になってからも
この辞書を使って言葉の意味を調べたり
漢字を書いたりしていた様子がうかがえた

もしかしたら
私に宛てたこの手紙も
辞書を使いながら書いてくれたのかもしれないなと思う

最愛の孫へ

から始まるその手紙

誕生日の近くに見つかったのは
祖母からのメッセージなのだろうか

乳飲み子を残して亡くなった母の後を追って
自ら命を絶とうと思って泣いた過去を話してくれた祖母は
1週間後が誕生日だ

もし生きていたら90歳になる

今年はすこし
豪華なお花を供えようと思う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?