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ワクワク のち マスカラ

久しぶりにマスカラを塗った。ただ自分がそうしたいからした。

私は化粧が苦手だ。最初はそれなりに楽しんでやっていたが、大人たちに「化粧してないでしょ」と何度も言われて、「私って化粧下手なんだな」と思った。友だちに相談すると「化粧してるってわかるよ」と言ってくれた。素顔を知っている人にはわかるけど、知らない人にはわからないレベル。そう認識した。
だから、生活が忙しくなるにつれてどんどん化粧は薄くなっていった。マスク生活が始まってからはほぼ素顔で生きている。

20歳ぐらいから化粧を始めて十数年。これまでメイクを楽しめなかった。でも湧き上がる若さはもう去った。そろそろ化粧で肌悩みを隠したいお年頃である。
幸い今はSNSで簡単にメイク動画やおすすめコスメを見られる。見ていたらいい加減上手になりたいと思ったし、何より楽しみたいと思うようになった。

そして今日マスカラを塗ろうと思ったのは、顔を飾るのが楽しく思えたから。

というのも昨日久しぶりにコスメカウンターに行った。そこで「お目元だけだと可愛らしいと思ったけど、マスク外すと美人ですね」「しみもシワもなくてきれい」とすっごく久しぶりに外見、というか顔を褒められた。その上で肌年齢や色味にあった化粧品をいっしょに考えてもらった。

営業トークかもしれないが、100%嘘だとは思っていない。わざわざ疑って落ち込む必要はないし、90%ぐらい真実だということで受け取るようにしている。
実際、10年振りに計ってもらった肌の水分量はなかなかよかったし、肌年齢も実年齢より2歳若かった。本気でケアしてる人たちからしたら微妙かもしれないが、私には満足の結果だった。

褒められてやる気が出た。認めてもらえて、親身に考えてもらえて「頑張りたい」と思った。苦手なりに頑張ってみたら結果が出るかもしれないと希望が持てた。そして、ワクワクした。

そんなわけで今日はマスカラを塗った。
チョロいかもしれないけど、楽しいからそれでいい。

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