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おでんの季節の悔しい記憶

寒くなってきましたね~。
おでんが食べたいです。

おでんの具は何が好きですか?
私はこんにゃくが好きです。
子どもの頃から糸こんにゃく(結びしらたき?)が1番好きだったのですが、大人になってから板こんにゃくのおいしさに出会いました。でも糸こんにゃくは越えないですね。同率1位です。

今日はおでんの話ではありません。
私が理不尽に選ばれなかった話をします。

中学2年生のとき、国語の授業でオリジナル短歌を詠むというものがありました。季節はちょうど今くらい、秋から冬に変わる頃でした。

私が詠んだのはこちら。

朝夕に寒さ感じて冬感じ もうすぐおでんがおいしい季節

稚拙ですが、そこは目をつむってください。

このときの歌は全員が無記名で短冊に書き、教室に貼り出されました。
そして、クラスでナンバーワンを決める投票が行われました。

初戦は全短歌が対象で、各々がよいと思った1首に投票します。そこで5首に絞られます。

まさかの勝ち残りました。
次は準決勝です。初戦同様よいと思ったものを1首選びます。

12票を獲得し、またまた勝ち残りました。
次は決勝。残りは2首。
ここで詠み人を明かすことになりました。先生が「これ書いた人?」と聞き、当人が挙手します。だからみんな「誰が書いたんだろう」ときょろきょろしています。

ここで男子がクスクスしていることに気付きました。「おでんのやつお前やろ」「は?違うし。お前やろ」と言っています。

「あ、男子がふざけ半分で書いたものだと思われてる」と思い、少し恥ずかしくなりました。
実際、国語の先生が面白い人だったのでウケたらいいなと思ってふざけ半分で書いたのですが。

そして「これ書いた人?」の私の番が来ます。恥ずかしいけど、決勝まで残れたことへの興奮もあるので、ビシッと手を挙げました。

クスクスしていた男子は黙りました。「やべっ。わかさんやった。」という感じでしょう。なぜ「やべっ」なのかと言うと、私は男子としゃべれない系女子だったからです。

▼そんな私が男子と話せるようになったきっかけもよろしければ…

そして迎えた決選投票。
なぜか準決勝を下回る9票で敗退しました。普通に考えたら、準決勝で敗退した人の票が回ってくるので、キープはあっても減るわけはないんです。

でも、なぜ減ったのかはわかっています。おでんの歌を仲間が書いたと思い込んだ男子たちの票が、わかさんが書いたものだとわかり他の男子の歌に流れたから。優勝させていじろうと思って準決勝まで投票を続けたけど、実はいじられない女子のものだったから。

悔しかったです。内容ではなく、女子だったから選ばれなかったことも、歌が男子っぽかったからという理由で準決勝まで進めたことも。

そして、どんなにいいものを作っても、作品以外のところで評価されることがあるということを学びました。

そのような現象は残酷な子ども時代特有のものではなく、大人になった今でも往々にしてあるでしょう。きっと私も知らず知らずのうちにしていると思います。

様々なバイアスによって、正当な評価ができないというのは恐ろしいことです。自分の了見を狭めることにも、相手の可能性をつぶすことにもなりかねます。

中学2年生の私の悔しさを忘れず、まっすぐで何物(者)にも邪魔されない目を持っていたいです。

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