ずっと迷子でいたい
わたしは超ド級の方向音痴だ。20年以上慣れ親しんだ渋谷でもいまだに道玄坂と宮益坂どっちがどっちだか悩むし、嫌という程通っているライブハウスもちょっと気をつけないとたどり着けない。CLUB QUATTROなんて何度迷子になったか分からない。(そしてまた次に行く時に迷子になると思う)
道だけじゃない。電車の乗り継ぎも壊滅的で、50%の確率で反対方向か違う路線に乗ってしまう。
いつの頃からか、迷子になるのが楽しくなってきた。
反対方向の電車に乗るくらいでは感覚が麻痺して何とも思わなくなってきたし、むしろ初めて降りる駅を楽しむ余裕も出てきた。最近は駅ナカのショップが充実しているのでついでにバラエティグッズショップに立ち寄って流行りのコスメをチェックしたりしている。
人と待ち合わせをする時は場所によって10~30分くらい余裕を持って家を出る。30分早く出たものの、そういう時に限って全然迷子にならないから待ち合わせまですごく時間が余ったりする。そういうときは周辺をブラブラする。方向音痴がブラブラして大丈夫なのかと心配になるかもしれないけど、たいていは待ち合わせ場所から真っ直ぐの道しか歩かないようにしている。曲がったりするともう道がわからなくなってしまうから、曲がるにしても分かりやすい目印を曲がり角と曲がる方向ごとに覚えるようにしている。たとえば「ローソンの角を曲がった。○主党のポスターのほうから来て、クリーニング屋の方向に進んだ。」という風に覚えておく。そうすると、クリーニング屋が見えた時にローソンの角を曲がることが分かるし、曲がったあとは○主党のポスターの方に進めば元の場所に戻れることが分かるからだ。だけどまぁ、覚えることが多すぎてひと曲がりが限界。
多分、もっと気をつければもう少し迷子にならずに済むと思う。少なくとも、電車の乗り間違いぐらいは減らせるはずなんだけど、今日も下りと上りを間違えた。多分、わざとなんだ。心が進みたい方向へ身を任せているんだな。
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