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議論するとはどういうことか
政治にしろ、経営にしろ、家族会議にしろ、何かの議題が生じれば、議論が必要になります。
しかし、実のある議論が出来ないケースは非常に多く感じます。
せっかくの議論の機会を有益なものにしたいですよね。
と、いうことで、普段私が心掛けていることをまとめてみました。
意見の食い違いを否定と捉えない
意見が食い違うと否定されていると感じたり、攻撃と捉えてしまう傾向がありますが、それは違います。
むしろ、意見が食い違うからこそその溝を埋めるために議論するのです。
相手の意見を聞く
自分の意見を主張するだけではで、相手の意見に耳を傾け、柔軟に対応することが必要です。
一方的な主張だけでは相互理解は得られません。
結論ありきで考えない
議題に対して結論ありきで考えてしまっては、そもそも議論になりません。
建設的な議論をするには、柔軟に意見を取り込んで、より良い結論へと昇華させていくという姿勢が重要です。
目的を明確化する
大前提として、議論のゴール(何を決めないといけないのか)がどこにあるかについては合意を形成しないといけません。
相反する主張だとしても、なぜそれをしたいのかを掘り下げていくと、どこかで共通の目的に行きつくはず。
もし、どこまでも目的に辿り着かないのであれば、そもそも何を目指している場なのかから見直さなければなりません。
論点をずらさない
意図的に論点をずらして追及をかわすケースもあれば、意図せずして脱線してしまうケースもあります。
本来的にはファシリテーターが、脱線した議論の軌道修正が必要です。
そこは高いファシリテーション能力が求められるので、その人選は重要でしょう。
もし、ファシリテーターがそもそも中立の立場でないとしたら、公正公平な議論にはなりません。
論理的に考える
矛盾を生じないように整合性を保ちながら議論しましょう。
論理が破綻すると議論が収束しなくなります。
矛盾を指摘された場合は落ち着いて整理し直すことが重要です。
感情論を持ち込まない
感情的になればなるほど、人は冷静な思考が出来なくなりますし、本質から逸れる要因になります。
また、声を荒げたり、ヤジを飛ばしたりという行為は心理的安全性を損ない、正当な議論を阻害します。
誹謗中傷や人格否定はしない
議論の本質と関係ない脱線であり、ノイズです。
また、圧力をかけて印象操作や議論の誘導をしようとしているのだとしたら、それは非常に悪質な行為です。
「人」について議論しているのではなくて、「議題」について議論していることを念頭に置いてください。
質問されたことに正しく答える
質問を受けるということは、参加者に取って腑に落ちない箇所があるということです。
発言者自身は理解していたとしても、それが上手く伝わっていなかったり、重要な前提知識が共有されていない可能性があります。
相手の立場に立って真摯に答えることが円滑な議論につながると思います。
また、その場で回答できずに持ち帰る場合も、いつまでに回答するなど、明確な次のアクションを提示することが重要です。
経緯・背景を共有する
質問に答えることと通じる部分もありますが、参加者が議論を点ではなく線として理解するために、その背景にある情報を共有することが重要です。
都合の悪い事実を隠した上で取り繕おうとする姿勢は公正な議論を否定しています。
もちろん、開示できない事情もあるとは思いますが、もしそこに不正があるのだとしたら、そもそも議論の前提が破綻しています。
また、前提知識の不足で予期せぬ誤解を生むこともあるので、経緯・背景はなるべく丁寧に説明しましょう。
謙虚に学ぶ
議論の中で、知らない知識が出てくることも多々あると思います。
理解不足のまま押し通そうとしたり、古い知識にいつまでも固執していては論点がかみ合わないので、そもそも議論になりません。
知らない・分からない部分は謙虚に認め、補うために学ぶ意識が重要です。
批判は真摯に受け止める
筋道の通った批判と、単なる誹謗中傷は別物です。
論理的に悪い点を指摘されたなら改善に努めましょう。
問題を分解する
大きな問題は、それ単体のまま結論を出すことが難しいです。
より小さな問題に分解することで個々に議論を進める方がスムーズなケースがあります。
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