わたしはわたし自身でシンデレラになる話


わたしは舞台俳優のオタクです。
量産型のオタクではないです。世間の20代女性の人々と同じような服装をしています。


そんなわたしは顔にコンプレックスがあり劣等感を抱えて生きていますが

舞台やイベントに出かける前にその会場にいる中で

わたしが一番かわいいと思えるように、

少しでも推しにかわいいと思われるように

かわいい服を着て
朝早く起きてむくみを取るマッサージを行い
自分の欠点を隠すメイクをして
髪だってちゃんと巻いたりヘアアレンジして
お気に入りの香水をつけて
指輪だってつけて

それで鏡の前でわたしはシンデレラ兼魔法使いになって

わたしはかわいい

と魔法をかけるのです。

舞台やイベントに行き、会場を見渡し

あの人より自分の方が勝ってる、かわいいと思えたら嬉しくなります。

(性格が悪いのは承知の上です)

でもわたしはわたしよりかわいい人を見つけた瞬間、わたしのかけた魔法は解けます。

もうあっという間です。

そんな魔法だって最初からなかったかのようにあっけらかんです。

その瞬間わたしはシンデレラでも魔法使いでもないただの村人Cくらいに成り下がります。

わたしただ

かわいくなりたい

ただそれだけなのです。


わたしはおそらく世間で言う普通の顔に分類されるのだと思います。

だから、かわいいって言われることだってあります。

でもそれだけでは嫌なのです。

10人中10人がかわいいと答えるような

そんなかわいい人になりたいのです。 


そのためにわたしは努力をする。
努力するだけでは無理なことはわかっているけれど

メイクだって新しい方法を取り入れ
服だってかわいい服を買い
ヘアアレンジだってYouTubeやインスタを見て何度も練習する

そしてわたしはシンデレラ兼魔法使いになり続けます。