危機管理
2018年5月
人を叩くのはあまりよくないと思いますが、
このオッさん。ホンマに久しぶりにめちゃ気分悪い。辛抱たまらん!
「すべては、監督である私の責任。監督を辞任します」
この言い方が、そもそも嘘をつき慣れている嘘つきの典型ともいえる最悪の発言であることに気付かない本人。ならびに大学首脳部の感覚と知能を疑います。
もしもたとえ嘘でも、この発言をするなら、事件直後です。
またこの発言を今するなら、必ず同時に自分の悪事のすべてを正直に話さねばなりません。
「すべての責任は自分にある」……そう言いながら詳しい内容は言わない。
これは確信犯的主犯者が、道義的に親分肌で責任をかぶるというヒーロー的犠牲者を演じて、その結果自分が確信犯的主犯者ではないという嘘のイメージを他者に与えるのが目的だからです。
この手の嘘をつく人間は極めて悪質で、この嘘には嘘の使い方や効果を熟知している人間の特徴がよく現れています。
なんでそんなことがわかるんやってか?
それは私も嘘つきの手練れだからです。
けれども私の場合は、自分がつく嘘の巧さを知っているので、極力それを使わないように意識的に固く封印しています。
損得勘定で、最終的に自分の監督継続は無理そうだと判断したのでしょう。
でも大学のナンバー2の地位はアメフトとは別だから、そちらは維持したい。
そのためには学内での功績のネタが必要になります。
本当は部員が暴走したのだが、今後のアメフト部の存続や、反則を犯した選手の将来、さらには日大全体の名誉のために自分がすべての責任をかぶった、という歴史のファンタジーのねつ造です。
事情を知ってる人間からすれば、
「最初から悪いのはお前やないかい?」
と、いうことになりますが、外部の人間の半分くらいは、これでうやむやに騙せます。
つまり真っ黒のペンキに大量の白いペンキをまぜて限りなく灰色にうすめ、ついには見る人によっては白にも見えるように、はからうわけです。
では本件における危機管理対処のベストは、何だったのでしょうか?
もちろん雲隠れしてしまったあとの昨日の段階での話です。
もしも監督本人、または日大首脳部が本気で私のところに相談に来たら、こう言うように教えてやります。
まず、
「当該選手が反則をするように命じたのは自分であること。すべての責任は自分にあること」を述べ、その上で、
「コーチらも、自分に準じて反則を支持したのは、監督である自分が独裁恐怖政治を行っていたから」と言い。
では、
「なぜそんなことをしたのか?」の、本件最大の真相、ポイントにつながる問いには、
「自分が監督として、知らないうちに有頂天になり、お山の大将になって本来あるべき教育者である立場や人間性……つまり自分自身を根本的に見失っていたのが原因である」
つまりこれなら、最初の「自分の責任」と、そのあとの「真相」が、ねじれずにキッチリ合致しているわけです。
そして最後に、大学ナンバー2の職も辞することを言えば、ほぼ完璧です。
他に言いたいことを聞かれれば当然、怪我をした関学QB の回復や関学・日大アメフトファン等、多くの人々に対する謝罪のことば。そして最後の最後に自分からのわがままとして、
「もしも許されるのなら自分の命令とはいえ無理やり反則を犯してしまった当該選手の許し」を乞う。
本件はこれ以外に対処方がなかったと、私は思います。
なかった、と過去形を使うのは、冒頭に私が書いたような、最もしてはならない致命的な内容の会見をすでに昨日やらかしてしまったからです。
監督本人がバカなのは明白ですが、大学首脳部や危機管理学部が、なにひとつ善処できず、恥の上塗り、最悪のシナリオを突き進めてしまったことに、私はただただ驚いています。
日本の大学のレベルってそんなもんなんですね。
私は、行ってないから、知らんけど。