つぶやき オール オブ ミー
人類がかつて経験したことがない、超高齢化社会。
そんな中、私のような若輩者……しかもお調子者で常に前向きな人間でも、ふと、ウグイスの声を聴きながら、
「ああ自分は歳をとったなぁ」と、しみじみ肩を落とす朝がある。
新しいものを貪欲に追求する姿勢と行動が、若さの重要な要素だと私は考えている。もちろん、実年齢以上に。
たとえるなら、車。
年式の新しさよりも、走行距離の少なさやメンテナンスの良さを優先するように。
そんな私が、新しいものに対する思いや期待、さらには、生み出そうとする意欲……それらがどんどん薄れつつある。
モーニングを食いながら、ビリーホリデーを聴いた。不謹慎だが、BGMがわりに。
ビリーホリデーの命日は、私の誕生日と2日違い。つまり、私が生まれるちょうど一年前の、1959年7月17日に彼女は亡くなった。
たまたま聴いてたのは、「オール オブ ミー」だった。まあ、誰もが知ってる、スタンダード曲である。
それが、
涙が出てくるのである。
たまらず。
パンをかじりながら……。
歌が心に染みてきたぶん、体内の水分が目から排出されるのだろうか?
自分が生まれる前の音楽……歌に、魂が震えまくって……そして、新しいものにはまったくの不感症。
田んぼのカエルの合唱を聴きながら、
「ああ自分は歳をとったなぁ」と、しみじみ肩を落とす夜も、最近やたらと多いのである。
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