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手毬と鉢の子
この宇宙には、時間軸を無視した上で、私…久保研二が、
すべての衣食住…いや、職と住を手放してでも、手弁当で師事したい人物が何人か存在します……というか、存在しました。
そのひとりが童話作家の"新美南吉"です。「ごんぎつね」や「手袋を買いに」を書いた人です。
自慢やないですが、小学5年生の時に私は、校内イベントで"ごんぎつね"の主役……もちろん"ゴン"を演じ、当時新聞の地方欄にとりあげられたことがあるのです。 ヘン! どんなもんだい!
その新美南吉が、子供向けに書いた、
【手毬と鉢の子】という本があります。
副題は、「良寛物語」。
新美南吉は、子供たちにこう語りかけます。
良寛さんの偉さは、その他大勢の偉人たちとは違い、"何もしなかった"ことです。でもなぜか、日本人の多くの大人が、口をそろえて良寛さんを偉いとたたえ、日本人はみんな良寛さんのことが大好きなんです……と。
この本を読んで、
ナショナリズムの高騰や陶酔が大嫌いなこの私が、「日本人に生まれてよかった」と、思わず実感したのだから凄いです。
その良寛がよんだ最高傑作が、この句でしょうね。泥棒に入られたあとの心境です。
「 盗人にとり残されし窓の月 」
そうそう、今からちょうど、189年前の1831年2月18日。つまり昨日が良寛さんの命日なのです。
新潟の長岡でなくなりました。
今、この宇宙のどこにおられるのか、それがとても気になります。