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エッセイ あせりはキンモツ

 昨日は、某リゾート系ホテルの支配人から緊急人手不足のヘルプがかかったために、日中ずっとプールの監視員をしていて、帰宅してからシャワーを浴びたら、昏睡……いや、爆睡状態。

 正体を失うほど深く寝て、時間の感覚がなくなり、それからまた再起動して、

①原稿整理
②討ち死に
③バタンキュー

 の繰り返しの無限ループ。

 布団はずっとパソコンデスクから、直線で1メートル以内に常設。

 朝か夕方かもわからない状態で、原稿にのめり込んでいたら、気持ちだけが先走りして……そこでオシッコがしたくなり、我慢ができない。

「はよ(早く)行って、はよ戻りたい。
 でも、あと一段落だけ加筆、チェックしてから……それでないと、今イメージしてること忘れる……そやけど……あかん、漏れる……」

 別にそこまで焦る必要は全然ないのに、トイレまで走って慌てたあげく、爪が引っかかって、引っ掻いてしまった。
 大事な大事なところを……。

「そやから、あかんっ、ゆうたんや! 」と、自分に叱咤激怒。

 あとの祭りというよりは、あとの血祭り……って、そこまでの出血はなかったのだが、とりあえずマキロンをシュッ!
 まさか絆創膏を貼るわけにはいかない。
 剥がす時にえらいことになるのが見え見えだ。

「落ち着け、落ち着け、
 深呼吸をふたつして、まずは飯や。
 朝飯か昼飯かようわからんが、とりあえず、きしめん茹でよ」

 湯を沸かしながら、

「飯食ってから珈琲でものんで、気持ちを落ち着かせて頭のOSを変換したら、ちょっとはこの焦りの加速もペースダウンするやろ」

 と、希望的観測でなぐさめる。

「ふ〜ふ〜血圧の薬のんで、もう一度深呼吸……そうや、深呼吸は人生と人体の基本やな……でも、やっぱり、なんか痛いぞ……」。

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