恩人
じっくりと振り返ると、自分の人生……特に、世の中の見方を大きく変えてくださった「恩人」を、決して忘れることは出来ません。
まだ未成年だった私が、叩き込まれた哲学。
「世の中に舐められるな、舐めてかかれ」
「その為に大事なことは、《気合い》と《間合い》だ」
その恩人……恩師が、こともあろうに、この私に、
「クボ、おまえは、俺をバカにしとるやろ?」
「そんなこと、あるわけないやないですか! 今の私があるのは、ほとんどセンセのおかげですよ」
「ほうら見てみい、やっぱりバカにしとるやないか?」
「…………参りました」。