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エッセイ 音楽の神様

 たかが音楽……自虐をこめて……

 私らの界隈では、音楽で家が建ったり、
東京ドームをいっぱいにしたり、
 世の中を変えたり、紅白に出たりするようなことは、まずありえませんが、

 そんな世界とは異次元の空間で、
 大の大人が何人も集まって、がん首そろえて、魂の方角とフォーカスを集中させる。

 不思議なことは、音楽の神様 というのは、こんな辺鄙な田舎で奏でる音や、たばこ屋の婆さんの鼻歌の中にも、そっと、宿っているんですよ。

 だから、決して、なめたらあかんのです。絶対にね……。

 それが証拠に、歌の出だしの合間に、
田んぼの方から、小鳥が、絶妙のタイミングで、ハーモニーをいれてくれました。

 人間技とは思えない……もちろん人間ではない……ものすごく綺麗な声で。

♪ 夏が〜くれば〜楽に〜なれるさ〜……🐧 ピュピュピュピュピュピュピュピュ〜ウゥ………。

 きっとコレは、音楽の神様からのメッセージでしょうね。

 音楽の神様は、決して、頑張れヨ! なんてことはいいません。

 目を細めながら、

「やっとるなぁ…」と、つぶやくのであります。

 【美しい日本語JAZZシリーズ】

Summertime 訳詞 Kenji Kubo

 夏になれば 楽になれるさ
 野菜も育ち お金ができる
 パパは笑顔で ママはキレイになれる
 だから坊や もう泣かないで

 ある朝坊やは 歌を覚えて
 荷物をまとめ 出てゆくだろう
 それまでは ここでお休み
 わたしたちが 
 坊やを 見守るから 

 夏になれば 楽になれるさ
 魚もとれて お金ができる
 パパは笑顔で ママは優しくなれる
 だから坊や 
 もう 泣かないで

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