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音楽に関する文章

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音楽に関するエッセイ。作詞、歌詞、創作、音楽全般。
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#シンガーソングライター

後悔するほど毒を吐く

後悔するほど毒を吐く

 あ〜あ……また今日、毒を吐いてしまいました。

 Live…生演奏の社会的必要性や、集客や、その中身に関するたわいない話の席でした。

 どんなLiveからでも学ぶものがある。
 下手なボーカルなら、なぜ下手に聞こえるのか?
 自分ならどう歌うか?
 自分がボイトレを引き受けたらまずどこを指摘するか……
 そういうことを常に頭に思いえがきながらLiveを楽しむわけです。私の場合……。

 作

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講習 シンガーソングライター

講習 シンガーソングライター

 各方面からの要望があり、一定期間構想を詰めていた「シンガーソングライター講習」を、山口で何回か行いました。

 音楽のイベントなら、お客さんが少ないと、ちょっとガッカリしますが、ある程度間口の段階で専門性が絞られるイベントの場合は、受講者が少なければ少ないなりに、マンツーマンに近くなり、それなりに充実するという、不思議なメリットもあります。

 最初の方は特に「作詞」がテーマですが、別に、それだ

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ライナーノーツ 猫の真珠

ライナーノーツ 猫の真珠

猫の真珠/落合さとこ

 (CDリリース用 ライナーノーツ 初稿より) ※実際のものとは異なります。

 ライブでも音源でも、とかくシンガー・ソング・ライター というジャンルは当たり外れの振幅が大きい。

 そもそもシンガー・ソング・ライターとは、音楽家というよりは生き様の表現者に思えるからである。

 さらに、活動年月が長い、特に女性のシンガー・ソング・ライターにおいては、私の眼には、もはや執念

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エッセイ 黒澤明とコッポラ

エッセイ 黒澤明とコッポラ

 歌を書く、創る……ということに関して、
逆立ちしても自分には書けない……という歌を書く人を。
 たとえ相手が故人であっても、若い子でも、私は無条件で尊敬してしまう。

 さらに自分が、作品力で「完敗」を味わい、打ちのめされるようなことがあれば、それはそれは嬉しくて嬉しくて、ダウンしてにやけながら、テンカウントを聞いてしまう。

 一般社会とは異なる、特殊な価値観や水準が、水平な空間に無限に広がっ

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エッセイ 息吹の天窓 後編

エッセイ 息吹の天窓 後編

脇の下から汗がでた。……

《後編》

 7時になってようやくあたりは薄暗くなってきた。いよいよ本日のメインイベントである《真依子•夕涼みコンサート》の始まりだ。

 真依子ちゃんは地元出身のシンガー・ソング・ライターで、日本の伝統楽器である《箏》を奏でながら自作の歌を歌う珍しいスタイルのアーティストである。

 豊かな自然の中で育った慈愛に満ちた視点から生みだされる作品は、想像力豊かな感性で紡

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エッセイ 穴ぼこ

エッセイ 穴ぼこ

 もう10年ほどさかのぼった山口での話である。

 複数のシンガー・ソング・ライターが集う音楽イベントのリハーサル会場に居た弟子から電話がはいった。

「今日一緒に出る予定の、東京から来たピアノ弾き語りの女の子の音合わせがさっき終わったんですけど……その子の歌や作品、特に"歌詞"が、きっと師匠の好みに合うと思います」

 弟子は複雑な言い方をした。本来は上下の概念は無意味なのだが、その日初めて見て

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