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ドルフロ2 プレイ感想・前作との比較レビュー ~牙を失い、凡庸な大衆向けの大作RPGとなった~


はろーこんばんわ。 

今回は、
ドールズフロントライン2(ドルフロ、どるふろ2)の
プレイ感想・前作との違いを書いていこうと思います。

全体的な感想としては

・素晴らしいグラフィック、アートワーク

・オートを筆頭とした
 快適なゲームプレイ

・前作のようなゲーム体験は無くなり、
 現代的なソーシャルゲームになった

近年出たゲームとしても、
かなり高い水準の3Dグラフィックと
良く出来たデザインを兼ね備え、
ミリタリー要素を題材とした
美少女ゲームとしては、
最高峰と言って良いでしょう。

ただし、
前作では重視されていた
物語とゲーム性の繋がり、
SRPG要素や戦略性はかなり薄くなり、
ただのRPGゲームとなっています。

面白いか面白くないかで言えば、
面白いゲームです。

しかし、
前作でのプレイフィールを期待すると
かなり違ったものとなっており、
似たゲームというか
崩壊スターレイルと全く同じゲーム
と言ってもいいでしょう。


◆課金とゲームプレイ


最強のキャラクターがいまなら実質無料!


ドールズフロントライン2(以下エクシリウム)は、
前作とはまったく異なる
ゲームプレイ体験となります。

どういったゲーム体験か、
一言で言ってしまうなら

"崩壊スターレイルとまったく同じ"

実際のプレイは、
オート戦闘で毎日スタミナ分のファームをし、
キャラクターや装備を強化していき
コンテンツをクリアしていく形となります。

更に、
ガチャで同じキャラクターを引くと
キャラクターを大きく強化することができ、
最大まで鍛えることができれば
通常のキャラクターの
百倍くらい強くできます。

これはかなりの額の課金、
またはゲーム内通貨の貯蓄が必要ですが
その投資に見合うリターンは存在し、
高難度を簡単にクリアしてしまえる
バランスブレイカー的な要素です。

そのため、
プレイヤーのゲーム目標は
大きく二分されます。

・無課金で石を貯蓄し、
特定のキャラクターのみを引いて強化する

・課金して大きく強化し、
無双していく

コンテンツ攻略における
プレイヤー間での競争に関しては
コンテンツに対してゲーム内のテクニック、
ファーミングを工夫するというものではなく

課金VS無課金

といった、
資本(物理)での競争となります。

ちなみに余談ですが、
高額な課金をする人のほうが
実は現実での社会的な資本、
文化的な資本はなかったりします。
だいたい借金でやっているというのもあり、
ゲーム内での資本のみを持っている。
という形が大半です。

ないからこそ、
作れる、持てる場所で持つ。
そういう捉え方もできます。

課金をしてほしいゲーム開発側としては
望ましい形であり、
このゲームデザインを否定するつもりはありません。

エクシリウムのゲーム性を
箇条書きにすると、

・課金要素でキャラクターの
限界の強さが大幅に変わる


もはや無敵となる6凸スオミ


・主だった課金要素は
キャラクターの取得と強化


・ファームは方法が固定されており、
コンテンツの攻略のため
ただ決まったことを行う


・プレイヤー間での競争要素は
課金によってキャラクターを取得できたか、
そのキャラクターをどれだけ強化できたか。


これがエクシリウムです。

しかし、
前作であるドールズフロントラインは


・課金要素はあるが、
キャラクターの限界の強さは変わらない


・主だった課金要素はキャラクターのスキン、
育成リソース


・ファームはスタミナではなく、
ゲーム内リソースを使用するもので
ファーミングの上手・下手によって
まったく効率が異なり、
コンテンツの攻略はファーミングの効率化が
主な目的となる


効率が異なりすぎて、
どうかしてる感じはあります


・プレイヤー間での競争要素は
コンテンツの攻略の上手さが
数字で可視化されたランキング戦


であり、
エクシリウムとは課金による
ゲーム体験への影響という点では
まったく逆のモノとなっています。

直接的なプレイヤー間での競争に関して、
少なくともコンテンツの攻略においては
課金がまったく関係がありません。

エクシリウムとドールズフロントラインは、
この点がまったく異なるものであり
はっきり言って前作の後継ゲームと
ゲーム体験に関しては
まったく言えないものとなっています。


◆ソーシャルゲームとして面白いか、ゲームとして面白いか


エクシリウムとドールズフロントラインが、
まったくゲーム性が異なるのは

・ソーシャルゲームとしての面白さ
追求したのがエクシリウム

・ゲームとしての面白さ
追求したのがドールズフロントライン

2者ではまったく
追求する面白さの
方向性が異なるからです。

前作はゲームとしては
かなりやりごたえがあり面白かったですが
ソーシャルゲームとしては
落第点もいいところのゲームです。

周回はただひたすらに時間がかかり、
しかも工夫をしなければ
キャラクターを取得するための
リソースを大きく削りながら
周回することとなります。

ストーリーですら同様で、
難度が高すぎる上に
リソースを消費してしまうため、
結果として

・動画をみてその通りに攻略するだけ

といった形になってしまいます。

そのゲームだけをやっているのであれば、
まったく問題がないですが
反復要素が多く、
それゆえにプレイ時間の長さが苦痛となりやすい
ソーシャルゲームでは非常に問題です。

更に毎日のプレイを必要とし、
他の魅力的なタイトルも出続けるため
ドールズフロントラインは長期渡って
継続してプレイされにくい
構造のゲームとなっています。

特に近年では、
別のことをしながらとか
タイパ(なんなんでしょうかこの言葉)が
重視されがちなので
重めのゲームプレイを要求される
ソーシャルゲームは敬遠されやすい。

逆に、
エクシリウムは崩壊スターレイルを下地としており
非常に快適なゲームプレイです。

オート戦闘があり、
スタミナという区切りやすくわかりやすい
一日のプレイ目標がある。

また、
周回もワンボタンで一瞬で終わるので
ゲームプレイに重さを感じるのは
週で攻略を要求去れるコンテンツと
イベントの攻略のみ。

キャラクターの強化ですら、
ガチャガチャをするだけ。

ゲームとしてはどうかと思いますが、
ソーシャルゲームとしては非常に良くできているデザインです。

継続しやすく、
課金によりわかりやすく大きく
他プレイヤーと差が付けられる。

2者のゲーム体験がまったく異なるのは
追求する面白さの方向性、
また対象とするプレイヤー層の違いから異なっています。

余談ですが、
ドールズフロントラインも収益のため
ソーシャルゲーマー向けの
融合勢力を導入したりしましたが
煩雑となりすぎたシステムや、
重めのゲームプレイが敬遠され
結局つながらなかったうえに
既存プレイヤー層の反感を買った、
といったことがありました。


◆物語とゲームプレイ


エクシリウムでは、
物語とゲームプレイは
繋がりません。

ただキャラクターの差別化のためだけに
導入された意味不明な属性要素。

旧世代の民生用人形が
謎の超能力スキルで
新世代の軍用機を蹴散らしていく戦闘。

このように、
物語とゲームプレイというのは
まったくもって切り離されたものとなっています。

前作ではやたらと強い
正規軍兵を筆頭に
物語の要素が、
大きくゲームプレイにも反映されていました。

でも雑魚ですらやたらと強いの、どうかと思います


しかしそれらは消え去ってしまい、
ただまったく関係がない
属性要素で難度調整をして、
最適なキャラクターを育てるだけ。

編成できる人形が少ないことも
それに拍車をかけています。

何度も書いているように、
やはりエクシリウムはSRPGではなく
ただのRPGゲームです。

ドラゴンクエストのように、
ただ反復作業をしてレベルを上げるだけ。

工夫をする要素は多くあり、
面白く感じるステージもたくさんありますが
キャラクターをガチャガチャで大きく強化できるという
その要素がすべて台無しにしてしまいます。

究極的には、
ただ石を貯めるか
課金をして12凸するだけのゲーム。

そこに金欠だが、
手腕でやりくりをしている
劇中の指揮官の姿はまったくありません。

むしろくだらない悪役の
名前すら忘れたペルソナ4の
主人公みたいな見た目をしている
あいつの方が近いです。


◆まとめ


ゲームとしてはとても面白く、
非常に良くできており
他のゲームに引けを取らないどころか
最高峰に近いグラフィック。

ストーリーも、
前作未プレイでも楽しめるし
ゲームプレイはUIのひどさと
コンテンツのわかりづらさを除き
非常に快適。

エクシリウムは、
そんな非の打ち所がないような、
素晴らしい出来のゲームですが、
前作、
またこれまでのSunbornのゲームとは
全く異なるせいで、
それらを期待するファンには
残念に思えてしまうところがある。

わたしのエクシリウムの評価は、
まとめるとこんな感じです。

プレイは続けると思いますが、
ちょっと残念に思えてしまうところがあったことは
否めません。

それではまた。