情報一元論
様々な考察を経て、私の立場が「情報一元論」とでも呼べるようなものに収斂してきたと考えます。
なので、その立場をここに明確化したいと思います。
私の「情報一元論」の主な主張は以下です。
あらゆる「情報」の根拠は量子状態のうちある状態が「観測」され、「選択」されることにある。
「観測」は私秘的に起こる。この私秘性を担保するのが「クオリア」である。
よって情報とクオリアは等価である。
最も単純なクオリアは1ビットの情報を現す「原始クオリア」である。
情報、すなわち観測行為をネットワークで紡ぐことで、原始クオリアはより複雑な情報を現すクオリアへと進化することができる。
ミクロの量子状態からデコヒーレンスによって情報がマクロに写像されることで、脳のような古典系でも意識体験が生じる。
自然界の階層構造の最も基底には「何も定まっていない状態」、すなわち「何の情報ももたない無秩序」がある。これは宇宙の始まる前にあった状態にも対応する。
「何も定まっていない無秩序」の具体的な候補は、「限りなく巨大な量子多体系」である。これを「カオス・シー:Chaos Sea」と呼ぶ。
カオス・シーから偶発的に低エントロピーのパターンが生じることで、宇宙は生じた。
存在とは情報のことであり、同時にミクロからマクロへの像である。
よってミクロの基底にある「なにも定まっていない無秩序」は定義上存在には該当しない。
これにより無限後退の問題は解決される。
このように、「情報一元論」は哲学、物理学、神経科学などの様々な分野における最も根源的な諸問題を横断的に、包括的に、統一的に理解しようとする壮大な試みです。
以下、関連する立場について考えていきます。
デジタル物理学
提唱者:エドワード・フレドキン、コンラッド・ツーセ
デジタル物理学は、宇宙の基本的な構造が情報の処理や計算によって成り立っているとする理論です。物理的現象を情報の変換として理解します。
【共通点】
物理的実在を情報として捉える点。
【違い】
デジタル物理学は、主に計算やアルゴリズムの観点から宇宙を説明し、クオリアや観測の私秘性に直接言及することは少ない。
ホログラフィック原理
ホログラフィック原理は、宇宙の情報が境界面に符号化されており、3次元の物理的現象が2次元の情報として記述できるという理論です。特にブラックホールの物理学で重要な役割を果たします。
【共通点】
宇宙の情報構造を重視する点。
【違い】
ホログラフィック原理は、クオリアや観測の私秘性を扱わず、物理的情報の空間的構造に焦点を当てる。
統一量子場理論
統一量子場理論は、すべての物質と力を量子場として統一的に説明する理論です。これにより、物理的現象を一元的に理解しようとします。
【共通点】
量子状態の観測と選択が情報を生成する根拠とする点。
【違い】
統一量子場理論は主に物理的現象の統一理論であり、意識やクオリアの問題を扱うことはない。
統合情報理論
提唱者:ジュリオ・トノーニ
統合情報理論は、意識を情報の統合度として説明する理論です。
意識の量を情報の統合度(φ値)で測定します。
【共通点】
クオリアと情報の等価性を提案し、意識を情報として捉える点。
【違い】
IITは主に意識の量を測定するためのフレームワークであり、宇宙全体の情報構造や無秩序からの生成については扱わない。
情報二重相理論
提唱者:デイヴィッド・チャーマーズ
情報二重相理論は、情報には二つの側面があると主張します。
物理的側面: 情報は物理的状態として存在し、物理的プロセスによって伝達される。
経験的側面: 同じ情報は主観的な経験、すなわちクオリアとして現れる。
【共通点】
情報には物理的側面と経験的側面があり、クオリアは情報の一形態と見なされる。
主観的経験(クオリア)は情報の観測や処理の結果として現れる。
【違い】
この理論では、宇宙の起源や無秩序から秩序の生成に関して特定の説明は提供していない。
情報の二重側面を強調する一方で、存在をミクロからマクロへの写像として特に説明していない。
まとめ
情報一元論は、既存の理論と共通点を持ちつつも、クオリアの役割や無秩序からの生成、存在の定義に関する独自の視点を提供しおり、その詳細な構造と具体的な説明において独自性が高いと言えます(ChatGPT談)。
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