毛布に包まれて携帯を眺めるという娯楽に
後悔を抱く日々から離脱した日々に
口元が緩みつつ
利き手でない手で書いた文字のような
皺が生み出されて
無造作な布に変わっていく

長髪の女性が映し出される待ち受けを見ては
それらしすぎない雰囲気を醸し出すために
夜通しフォルダに目を運んだ日を思い出す
身勝手に枠内に収めた女性の後ろ姿と
足元の不安定な砂
波音と声が聞こえそうで聞こえない画質が
夜を長引かせる
気体となった夜に包まれては聞こえ出す音が
混沌のビルヂングを生み出すときもある

ビルヂングが溶けだしては
足元が砂に埋め尽くされて
毛布が皺のよった布に変わり
寝具の隅にまとめられる

カーテンの縦縞が揺れては
邪な自分を感じて光が差す
もう夜は溶けていた

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