![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157250500/rectangle_large_type_2_484be9406371d53102721ca64fdc10e9.jpg?width=1200)
プレイヤーが指揮者にならないといけない瞬間
怒涛の海外ラッシュが始まった。名刺に電話番号を入れようかなとデザイナーの妻に伝えたところ、あなたそんなことしたら大変なことになるわよ、今でも大変なんだからとツッコまれる。そう、僕のiPhoneはありとあらゆるプラットフォームから予約の連絡が絶えない。基本的に僕は友人の予約しか受け付けていない。基本的に緊急を要さないものは朝一から整理することにしている、とにかく貯めると確実に忘れるのですぐにパスして、そのスタッフがしっかりクローズできているかを管理している。ほとんどのセッションが僕が参加するセッションとなるので、帰ってからほとんどの日がキッチン入りするということになる。これが頭の体操にもなる、実に集中力を磨くという作業に直結するのだ。
先日のIWAのセッションの中でヘッドのスタッフに指揮者になることの重要性を唱えた。初めてのキッチン、初めてのスタッフ、初めてのゲストの中で誰かのためにその場で料理をしていくということはとても難しい。だからこそチームを連れていって、準備をしていく。ヘッドが料理に追われると僕らの場合はフロアーが全然のっていない三流DJみたいなことになる。ここをしっかりマネジメントするのが指揮者の役割である。指揮者はバイオリンやピアノは引かない、ただし指揮者の力量によって全くその楽曲は別モノになる。かくいう僕もプレーヤーであり指揮者でありということをバランス取るのに常にチャレンジしている。冒頭に書いた日中届く予約の相談については、僕も指揮者の要領が試される瞬間だ。ゲストの目標は予約を取ること、そして僕の目標はしっかり予約が取れて満足して帰ってもらうことだ。そこまでのやり取りの中でプレーヤーモードになると、そのほかの副次的なオーダーがやってきてしまう。どのゲストがどこの店舗にいって、誰がそのタイミングにゲストがいて・・・などの確認をしてから、ここは心を鬼にしてスタッフへのダイレクトパスをするのだ。
このモードになると100件ぐらいの処理能力となる。ダイレクトパスをすると今度はスタッフがパンクするので、そのロードバランシングをどうするかが大切になってくる。指揮者として忘れてはいけないのが、このパスをする相手が「単なる予約作業」として受け取らせないことだ、だからそのゲストがどういう経緯で、どういう関係性で、誰と今回来るのか?前回は何が良かったのか、何がダメだったのか、どのゲストがいるときに何をアチーブしたいかなどをLEGOブロックのように組み合わせて指示する。タクトを振りかざし、そしてその臨場感をともに味わってもらわないと僕らのWAGYUMAFIAとは言えない。喜んでもらえることに心血を注ぐというのはとても重要な取り組みだと思う。いい音をチームでしっかり鳴らして、心揺すぶる音楽を奏で続けたいものだ。