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ファンクショナリティーで売る時代は終わった、エクスペリエンスを追い求めろ

ホスピタリティ業界にいるからこそ、日本の働き手を確保するにあたってクリエイティブな創造というものが必要になっている。安い労働力を雇用し続けられる時代はとうの昔に終わっていて、今は高スペックな人、信頼できる人をどうやって採用していくかにシフトが移っている。とある大使館での話だ、メイドさんの働き手の確保が大使レベルでも大変になっているという。

「こんなこと日本以外では考えられないんだけどね」

そうその大使は僕に告げた。ハウスクリーニングのサービスレベルは、近年でガクンと落ちたという。たいてい海外の要人などは、長く家族とともに寄り添うメイドさんとともに生活していることが多い。彼らは一緒に旅行もするので、文字通り家族とともに生活していくことになるので、とても重要な存在である。

日本では優秀な人の獲得は取り合いになっており、どうでもいいサービスプレーヤーが多く、海外と比べても使い物にならないというのが彼の意見だ。この話は僕らの業界でも言えることで、安価な労働力で構成されたビジネスモデルで形成してしまうと、アメリカのファーストフードチェーンと同じような終焉モデルとなってしまう。要は人材がそもそもいなくなってしまってそのビジネスモデルが成り立たなくなるという話だ。

そうなった時に何をするかというと人材獲得のフィーをあげていく、当然それは最終消費者への対価へと反映されて、そもそもファーストフードじゃないじゃん!的なサービスとなり、食べ手も提供する側も困っていくという世界に突入していくのだ。この間妄想喫茶での小話の際に、コーヒーの相方こと井崎さんがコペンハーゲンでした話がとても興味深かったのでシェアしておきたい。

ファンクショナリティで売る時代は終わった、エクスペリエンスで売らないとダメだ。コーヒーの生豆市場も記録的な円安、世界で唯一の残留農薬チェックを設けていることもあり、日本は全世界での競りで圧倒的に買い負けるという現象が生まれている。これは肉業界でも同じ話で、近所のステーキチェーンが潰れだしているのも、世界中で買い負けているからだ。ファンクショナリティで売る時代を模索している人は、顧客もファンクションで選んでいく。だからステルスディスカウント、いわゆる消費者にわからないように質やボリュームを落としていく。

この終焉がどこに行き着くかというと、不味いコーヒーを飲まなくなって、最終的にはコーヒー業界そのものが死んでいくという話だ。まず最初にミドルレンジを狙うサービサーが大変になっていくのだろう。これを逆手にとってエクスペリエンスを追求していくビジネスに変えると、もうそこはファンクショナリティーをスキップした世界が待っている。経験は対価交換ができないし、相対的な評価もしない。だから旅行というコンテンツは今でもトップコンテンツとして君臨するわけだ。エクスペリエンス追求型だから、食材にも妥協をしない。だからいいものを、もっといいものをという意識が根付いていく。

話を最初に戻すと、大使のファミリーに寄り添っていくメイドさんたちも実はエクスペリエンス型の信者なのだろうと思う。働き手もファンクショナンで仕事を選ぶ時代は終わり、エクスペリエンスで選ぶ時代が来ている。だからこそ、世界中からWAGYUMAFIAにゲストが集まり、そして世界中から働き手が集まってくるという現象が生まれている。ゲストとスタッフのエクスペリエンスを考えて、そしていつまでも質の追求を追いかけていきたい。それこそが人生の本当の価値を決めるといっても過言ではない。

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