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日本から今すぐ白い光を捨てちゃおう!

もともと蛍光灯が嫌いである。というかLEDでもなんでもいいのだが、白色灯が嫌いなタイプだ。自宅はすべてハロゲンで統一しているし、LEDだとしても調光可能な暖色で整えている。それが日本はなぜなのだろう、とにかく白い光が好きなのだ。

つい先日とある旅館に泊まった。久しぶりに部屋出しの美しい食事を頂いたのだが、美しい食事をぶち壊すのが天井上の白い光だった。蛍光灯の登場から日本は一気にこの白い世界に突入した、未だにそれを引きずっているのがコンビニである。とにかく真っ白である、まぁ視認性を高くしたいコンビニだったらまだ許せるが、職人が頑張って作って器にもこだわっているところでのこの蛍光灯は和紙を一枚かませていたとしても、なんのリスペクトもない容赦ないスペシウム光線のように情緒のすべてを破壊していくのだ。

海外の友人が家を借りるというので東京のハイエンドマンションのツアーをした。そこでも気になるのはこの白色灯のオンパレードだった。日本人などのアジア人などは瞳が黒い、単純にメラニン色素が多いからだ。だからこの白色頭の灯りをある意味吸収できる眼のシステムを持っている。白人となるとメラニン色素が薄いので、やはりこの白い光が眩しすぎるのだ。僕らがゲレンデで眩しいと感じるのと同じようなイメージだ。僕の場合は昔レーシックをしてから特にこの光に対して敏感になったので、彼らと同じような反応となった。海外の生活者が多いマンションなのにも関わらず、まだこの光という分野にはテコ入れがなされていないのだなぁっと感じる瞬間だった。

WAGYUMAFIAは西麻布の店舗のタイミングから美術館チームを入れて、調光を徹底的に拘ることにした。元々色温度についてはこだわりがあったが、とある美術館をみてからやはり光のコントロールというのはとても大切だなぁと思って、それから光とともに生活している。僕が20年前に設計した自宅は、すべての光が暖色で調光がついている。一括でコントロールできるわけではないので、面倒なのだがその分時間に合わせたライティングのコントロールができるのがとても心地よい。

日本の光がこの白い光に席巻されてから、人々はこのテクノロジーに圧倒的な光量を求めたのだろう。そこから残念ながらこの白い光が消え去ることは未だにない。昔の日本蝋燭は植物原料で小さな光を灯す。色味もとてもいい。もちろん、その光量で生活できるとは僕は思わないが、もう少しこの白い光というものを温かい色に変わってくれることを祈っている。色温度の調整、そして光量の調整をするだけ、それだけで数多くのビジネスが飛躍するのだ。

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