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レストランコミュニティに求められるConversational Pieceな時間

人が気軽に来られるコミュニティのようなイベントを僕は定期開催する。会話でもそうだが、共通の話題があると会話が気持ちよくスタートする。「あ、音楽何が好き?」みたいなそんな共通トピックが、初対面同士の距離をぐっと近くする。そんな言葉をConversational Pieceと呼んでいる。ちょうどアメリカツアーで滞在した場所が、LAのマリブだった。初日に早起きして歩いてみると、朝食メインとした店があった。久しぶりにブレックファーストブリトーを食べる。久しぶりに食べたアメリカ生まれのこの料理に懐かしさを覚えて、翌日から合流したスタッフとともに再訪するのだった。店員と地元客のトーク、店内には席がなく、カリフォルニアの太陽のもとで青空のもとでみんなが話している姿を見せたかったのだった。

食べながら、これ日本でも一度やろう。いわゆるアメリカンなブリトーだが、ブレックファーストと命名した時点で優勝してしまった料理である。そこにドーナッツとコーヒーが出れば幸いだ。よくみるとバーガーを食べている人もいる、そんなちょっとごちゃっとしたアメリカンな朝の風景を外苑でも作ってみたかった。あれから1ヶ月ちょっと経って、昨日がその朝食会だった。アメリカンブレックファースト、もちろん主役は今回のConversational Pieceのひとつことブラックファーストブリトーである。尾崎のハラミを豪快に入れたこのブリトーに、自家製のサルサベルでとワカモーレをたっぷり乗せる。たりなければワギュスコを豪快にかけるという。テーブルをみると、いつものバーガーを頬張っている人もいる。そうあの時のマリブと同じ光景だ。

このイベントにはいくつかの意味がある。あの時体験した原風景を我々なりにアレンジして表現するということ、あとは僕らのファンが集まる場所を作るということだ。僕もナポリの友人と、そしてニューヨークから戻ってきたシェフの友人と一緒に参加する。いつもの日本のファンの方々、そこに海外勢が正午になると押し寄せる。へー、ブリトーも今日あるじゃん。と、ランチ勢も遅めのブレックファーストブリトーを注文してくれる。そうそう、この感じが欲しかったのだ。Conversational Pieceも重いトピックスタートはない、どうでもいい当たり障りのないトピック。そんな時間がこれからのレストランには大切だ。


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