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マンガリッツァ豚カツの取説(7月18日ランチセッションゲスト用)

今日のコラムはULTRA TONKATSUランチ通称裏マフィアに参加してくれたゲストの方々への取説的なコラムだ。食べる前、食べた後、食べることを想像して・・・読んでもらえたらと思う。

そう、コロナで出会った思い出の味である。

氷の屈足湖にサウナで火照った身体を一気に冷やすために飛び込むというフィンランドのアヴァント企画、衝撃の映像で秒速で決めて訪れたのが帯広だ。相方の堀江が1時間ほど車で南走らせたところで、ISTというロケットの会社をやっていたりするので、なんどか足を運んだことのある地域だったが、北海道ホテルの林さんことかっちゃんのナビゲートで、すっかり帯広ファンになってしまった自分がいる。

挙げ句の果てにはサウナ飯の開発まで委託されるようにもなったっけ。

そのお世話になっているかっちゃんの親友が何故かこの帯広の地に持ってきたのが純血のマンガリッツァ豚である。マンガリッツァのくだりはこのコラムでまとめているので、ぜひ読んでもらいたい。

平たく言うともうこのような生体輸入は不可能だ。だからこのマンガリッツァを丁寧に繁殖していくしか方法がない。値段を聞いたらおったまげた、神戸ビーフよりも高い。(笑) しかも歩留まりが驚異的に悪い。ヨーロッパは脂を食べる文化、塩漬けのラルドのようなものがあるのでいいが、日本人はまず脂を食べるということがない。初めてアメリカに神戸ビーフを輸出したときに、脂をトリミングしてから輸出できないか?とクライアントに怒号を飛ばされたそんなときの彼の気持ちが分かるぐらいの脂身だ。

脂は油に合う。これは料理をしている人間がだったら当たり前に分かることだ。だったらとんかつにしよう。そういう僕と堀江らしい発想だった。ここからとんかつの旅が始まる。もともと僕らはカツサンドで世界でヒットしたことで、世界デビューを果たせたようなブランドだ。そしてコロナ禍に参加した串亭の大将ことイッショちゃんが揚げの技術を更にアップグレードする。月2回ほど行われる串カツでもチューニングを重ねている。今回、初めて油を米油のみにしてより純粋な肉質の確認、そして油切れの良いサクサク感が味わってもらえることだろう。

これで実は3回目のとんかつ会である。実は細かなチューニングもさることながら、実は血統の確認ということが大前提に重要だったということに気づいのたのだった。純血統のマンガリッツァには 4 つの系統がある。

4つのマンガリッツァ豚の系統開発は、ハンガリー、オーストリア、クロアチア、ルーマニ アの北部、スロベニア、およびオーストリア - ハンガリー帝国の一部であった他の国々で行われた。4つの系統とは、ブロンド系統 、すでに絶滅しているブラック系統 、そしてスワローベリー系統 とレッド系統だ。以下に細かな情報を転載しておく。

ブロンド・マンガリッツァは、モラヴァ(Morava)渓谷で飼育されていた古代種の体型の小さな Alföldi pig (アルフォルディ豚)とセルビアの Sumadia swine(スマディア豚)を交配する ことによって最初に形成された可能性が最も高い。 後に、the red Szalontai pig(赤いサロンタ イ豚)と the Bakony pig(バコニー豚)と交配されました。ブラック・マンガリッツァは、未知の品種と黒の the black Croatian Syrmium breed(クロアチ ア シルミウム品種)を交配することによって形成されました。スワローベリー・マンガリッツァは、ブロンド・マンガリッツァとブラック・マンガリッツァ を交配して形成されました。レッド・マンガリッツァは、ブロンド・マンガリッツァと the Red Szalontai pig(レッド・ザロ ンタイ豚)を掛け合わせて作られました。

純血マンガリッツァ4つの系統

今回と畜タイミングが偶然にも3系統があったので、すべての系統での肩ロースを仕入れられるという絶妙なタイミングでの開催となった。数に限りはあるが、3系統の食べ比べが出来る世界初のセッションだ。

ソース好きな相方のために、今回初めてソースから作り込みをした。ベースが先日訪問したみそたまりで有名な南蔵さんのわらべうたの五分のWAGYUMAFIA特注仕様の無殺菌のものを使っている。そして三河みりんの有機みりんをあわせる。ここに両蔵から分けていただいている粕で伸ばしていくという作業をしている。酸味は富士酢プレミアムを贅沢に、そこに最後にかぼすをハンドスクイーズしてもらうという方法を取る。

もちろん塩で合わすこともオススメだ。今回は3種類の塩を僕が選定して持ってきている。WMのソルト、そして岩塩、最後は世界一の海塩である。それを発売されたばかりのダグラス・ウェバーデザインのマフィアミルで落としてもらいたい。必要あればワサビと合わせてもらってもいいが、この夏の暑さにはやはりかぼすのシトラスな柑橘香が似合うだろう。

今回もうひとつの目玉はバラである。脂がここまで美味しいのであればバラはもっと美味いに違いないという豚バラ好きな僕があえてこだわってオーダーしたバラ。これでポークジンジャーを作るのだ。アドオンのメニューで2.2mmスライスで皮付きマンガリッツァ豚バラをガツッと鉄鍋で焼き目をつけたところで、流し込む特製ジンジャーソース。どことなく洋な香りをまとったこのポークジンジャー、フォークとナイフのシルバーで切りながら召し上がってほしい。WAGYUSCOソースが合うかって?そりゃもちろん、ファイナルドレッシングとして忘れないで欲しい。

最後にもうひとつのおまけ。これは僕が生涯かけてハマっているジャパニーズカレーだ。まだ未完成ながら最終形態に近づいているカレールーを追加オーダー出来る。話は早い、残ったマンガリッツァカツをULTRA KATSU CURRYに変身させられるかどうかはあなた次第。追いソースはカツの上からで。いってらっしゃい。

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