日本のコンビニの凄さ
海外シェフと一緒にツアーをしているときに、最終ツアー地点は日本のことが多い。人数も多いのでマイクロバスをチャーターしたりして動くのだが、その時に必ず訪れるのが日本のコンビニだ。シェフ陣は眼をキラキラさせながら、おのおの日本のコンビニの何がすごいかを自国との比較で教えてくれる。
たとえば台湾のシェフ、リッチー・リンはこういう。まず「これだけの種類のお菓子はないよね」、と見たことのないようなお菓子を10種類ぐらい買い込みポリポリ食べている。彼は甘いお菓子も興味深そうに食べているのだった。台湾は日本のコンビニカルチャーも入っているため、そこまでコンビニカルチャーと遠くはないのだが、それでも本家のラインナップは違うらしい。
イギリスのシェフ、トモス・ペリーはこういう。「サンドウィッチがイギリスで生まれたのを忘れるかのようなサンドウィッチラインナップ。あとなんでこんなにキレイで、フレッシュなんだろう。」ちなみに欧米系に受けるのがレタスがレイヤーになっているあのシャキシャキレタス&ハムだ。ちなみにセブンイレブンが好かれる傾向にある。
コンビニのチキンも定番である。スペインのシェフ、フェラン・アドリアとともにまわった中でコンビニのチキンも全種類パクパクと。赤坂の神社での屋台でも彼はありとあらゆるものを食べていた、とにかく食べるのだがコンビニの揚げ物コーナーは常にチェックするポイントという。
僕も国内旅行中はコンビニを補助的に使うことが多い。身体のコントロールをしている今は、とくにコンビニが全国にあることでリズムを作れることが多い。発酵食品がここまで揃っているというのも日本のコンビニのポイントだ。これが海外のガソリンスタンド系の小さなKISOKだとほぼスナック菓子のオンパレードとなる。食通ぶって「コンビニ食がねぇっ」と邪険な顔する前に世界基準で考えると、ここまでのスタンダートとラインナップが、ほぼ全国同じような商品列で並んでいるということが驚異的なわけだ。
世界のシェフもそうだし、食好きは必ずや何かしらのアイディアをコンビニからインプットして自国に持ち帰っているに違いない。