素人を騙すな、玄人を唸らせろ
久しぶりにオペレーションがグダグダだったので、緊急で色々とミーティングをした。新しい店舗だったらまだしも、もう3年経つ店でこの状況だというのは構造改革が必要なのでさっさとやる。オペレーションがダメだとフードクオリティにも影響する、フードクオリティに影響するということは全体的なエンターテインメントにも影響してしまう。通常営業のレギュラーサービス以外にもポップアップがどんどん入ってくる。その無茶振りをうまくこなせないと、次のステージにいけない。このポップアップには達成しなくてはいけない3つのポイントがある。
1:集客、これがダメだと自分にゲストがついていないことが露呈する。逆にここが上手なチームは通常営業も強い。集客は強い、弱いではない。やるかやらないかである。WAGYUMAFIAも最初は閑古鳥が鳴きまくっていた。全く人が来なかった、人が来ないから営業した。人が来るようになったら定期的に来てもらうように常に気をかけていくことが大切だ。当たり前なことだが、これがなかなか出来ない。
2:メニュー立案構成、ここがダメだと料理人としてのセンスが問われる、逆にここが上手いとすぐに次のステージに行く。この作業は実はセンスがあるかどうかよりも、どれだけ食事をしたことがあるかにもよる。あとは家で料理しているかも大きなポイントだ。メニュー立案は、ステージのセットリスト構成にも似ている。ショーの演出タイミングも考えられるようになれば一人前だが、そこまで考えられるようになるには長年の経験が必要となる。
3:そして全体のクリエイティブ、ショーステージの構成だ。そして最後のオペレーションへというのが続く。求められるものは常に高い。逆にここが全て完璧にこなせば、いつ独立してもいい仕事が出来るだろう。更に言うと何をしても成功すると思う。それだけの全体芸術、ステージをどう完成させるか?どんな小さなステージでもそこまで考えてショーアップするかどうかで結果は雲泥の差になる。
リーダーシップ不在だとこの無茶振りの時に色々と露呈する。これはマネジメントの責任でもあると反省して、ベッドに入っても頭はフル回転して色々とシミュレーションする。僕らはとにかくベストを目指してきた。世界がやっていないことをやる、そして僕らが納得するものを出す。この道に終わりはない、だから昨日やっていたもののダウングレードバージョンを出したら、今までの逆の流れに入っていく。ダイリューションである。どの業界でも僕はそれをみてきた。ヒット商品のあとに続く、マーケットにこれ出しておけばいいでしょ的なプロダクトリリース。原材料を誤魔化して、利益率をあげるアパレルメーカー。素人を騙す仕事はプロがしては絶対ダメだ。プロが唸る仕事を常にする。このために僕らは何が出来るのか?それを常に考えていかなければダメだ。
最初みんなが笑ったが、この変わらぬこだわりがきっと世界トップの景色をみせてくれると思っている。