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本場タイで頂くムーガタから新しいWAGYUJISUKANのトムヤムスタイルを想像する

バンコクにてムーガタを食べにいく。僕らのワギュジスカンは結果的にムーカタの鍋の進化版のような形になったのだが、その原型を久しぶりに見に行こうと思ったのだ。東北の焼肉スタイルであるムーガタ、ムーは豚、ガタは浅めの鍋の意味。鍋中央に凸エリアがあり、そこでマリネされたムーこと豚肉を焼く。囲むようにリム凹にスープが流し込まれていてそこに野菜や春雨などを泳がしてしゃぶしゃぶしながら食べる。もちろん肉をしゃぶしゃぶしてもいい、アルミ製の安い鍋だ、火入れのスピードが火と近いしゃぶしゃぶスタイルの方が早いのだが、ムーガタの醍醐味は鍋のセンタースペースで焼肉をした皮付きの豚を、東北地方らしい辛酸っぱいつけダレにどっぷりつけて食べることにある。

WAGYUJISUKANが生まれてもうすぐ2年になる。50万する鍋が世界に飛び立っているというのも驚異的なことだが、今夜のアルミの蓄熱性能の低さと肉が焼きにくい状況を見る限り、僕らが焼肉鍋業界において異次元のトップクオリティの鍋を開発したことが分かる。奇しくもムーガタのようなスタイルになったため、スープバリエーションが無限大に考えられるから面白い。四川省の火鍋、日本のすき焼きもデビューした。次に僕らが開発しているのはトムヤムだ。元々川エビを食べていたタイの人たち、トムヤムベースに川エビ=クンを足してトムヤムクンが生まれたとも言われるし、アユタヤ王朝時代にフランス人使節団を受け入れるためにブイヤベースを模して作ったスープが発祥とも。僕はこのトムヤムという味が大好きで、その中でもナムサイすなわち、ココナッツミルクを使わないクリアスープが好きだ。

クンを使わずに僕らは和牛、すなわちヌア(牛)。トムヤムヌアなのだが、ここにムーガタのエッセンスを入れて、スープもトムヤムベースで飲めて、つけダレも東北地方、すなわちイサーン料理のラープのようなエッセンスを入れたら面白いと思っている。早速、バンコクからスタッフに指示してベーススタディをしてもらうことにした。タイ料理は良く作るので、このオリジナルのつけダレを開発するのはさほど難しくないが、僕らのWAGYUJISUKANは世界展開をしているので日本人が好きな味だけではなくて、グローバルに理解される味を目指さないといけない。脳内レシピでシミュレーションをしているのだが、ここに和牛が加わるわけだ、想像するだけで垂涎ものだ。

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