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小学校の同級生が、カレーに魅せられてという話

小学校の同級生であった友人、吉野がカレーマンというキャラで、カレープロデュースをしている。何事も慎重派の彼だったが、僕はそんなにカレー好きなんだったらいつかは実店舗をと勧めたことを覚えている。そんな彼も堀江のプッシュもあったのか、ついにリアル店舗を構えるまで至った。竹馬の友的な彼のクラファンに応援するべくレトルトの命名権を購入した。律儀な彼はレトルトカレーを持ってくると言いつつ、町寿司に摘みにきてくれた。そんな男の心温まる出汁が香るカレーである。

カレーに魅せられた吉野と命名アイディアの件で連絡をした。記憶力が昔から欠如している僕からのまず最初の質問は「6年って何組だったっけ?」であった。この答えだけで、僕は回答を用意していた。彼からは速攻で「6年2組」と回答があった。食べた瞬間に何故か給食の食器の音、香り、そして名物だったきゅうりのオイル漬け・・・そんなものが蘇ってきた。引っ越し人生だった僕にとって、昔からの友達で今も何らかの接触があるというのは吉野ぐらいしかいない。そんな友情が育んだ味のようなカレーに僕にとっては感じた。だから「八坂小6年2組」というネーミングと告げた。

ネーミングの話はさておき、その後彼とはジャパニーズカレーの話で盛り上がった。さすがカレーマンである、要所はすべて抑えていて、なおかつ昼は電通のサラリーマンでもある彼は、ランチ事情を独特の目線で語れる数少ない人間だ。この半年間、僕はジャパニーズカレーを食べ歩いている。懐かしさを求めて旅ししているのだが、西麻布のシェフのジェイがカレーにドはまりしていることもあって、彼との食べ歩きのいい時間にもなっていたりする。

行く先々で使っているカレー粉などを調べ上げて、色々と試している。中には普通にレトルトをそのまま使っているのに(しかも隠すなんてことをせずに堂々とレトルトを使っていますよとオープンキッチンで見せて入れている)行列が耐えない店もある。悪い意味ではなくて、人々は安心を求めて食べに来ている。そこにWAGYUMAFIAらしく、美味しさをエッセンスとして足し算できたら面白い。僕にとってジャパニーズカレーの面白さは、そのトッピングにあると思っている。カツカレーがその代表とすると、千切りキャベツが乗ったり、ソーセージだったり、ハンバーグだったり、ゆで卵だったりする例のあのスタイルだ。


方向性は2つだけあって、いわゆる安定感で勝負するか、それともものすごくこだわって勝負するか。この二択なのだ。超美味しく作るというのは誰でもできる、ただし安定の懐かしさの味を出すというのは、意思ある割り切りが必要になってくる。だから定番のスパイスミックスを使うというのは、ある意味でのセオリーになってくる。そこに僕らなりの独特の香り付けを主張しないように、さり気なく配置していく。トッピングははっきり言って何が乗っても美味い。だからベースのカレーがとっても大切なのだ。そんな話を小一時間、彼と話をした。長い友人というのはそういう独特の空気感があるから、ありがたい存在だ。

ぜひ「八坂小6年2組」カレー食べてもらいたい。


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