おにぎりとささみフライの奇跡の邂逅
旅先で訪れるとかならず食べるローカルフード=B級グルメたち。僕にとってはもしかするとこのローカルフードを食べたいからこの地に訪れているというきらいもあるかも知れない。それだけ食の力は偉大だし、その土地でしか食べられないあの独特のローカルフードの魅力はたまらない。ここ石垣でも欠かせないのが、「オニササ」である。石垣どローカルな食べ物なので、この地に来たことのない人は全く分からないB級グルメだ。
知念商店という個人営業のスーパーマーケットがある、その惣菜売り場がこのオニササの聖地である。オニササとはおにぎりとささみカツを一緒に合わせて食べる料理だ。入店するとショーケースにおにぎりとフライのバリエーションがずらーっと並んでいる。定番のささみカツ、そしてゆかりのおにぎり、これが僕の一択だ。この2つのアイテムをポリ袋に入れて、ささみカツ部分に塩をぶっかける。そして型取りされた三角形のおにぎりをささみカツの形に合わせてむぎゅーっと潰して舟形を作るのだ。それをビニール袋から顔を出させて、がぶりといく。それが石垣島のオニササである。
調べてみるとどうやらオープン時に子育てで手がまわらなかった店主の女性、おにぎりを並べて、フライを並べて・・・あとは取ってね、というセルフスタイルで労働の省略化をしたらしい。すると高校生がそのささみフライとおにぎりにソースなどをかけ始めて食べだしたということがこのオニササの発祥エピソードだ。そう、ポリ袋に何を入れるかもとても楽しい、地元の方に聞くとおにぎりとコロッケだとオニコロになるらしい。これもクリームコロッケにするとこの世のものとは思えない料理になる。もはやおにぎりを越えた料理なのだ。
そんなオニササに久しぶりに会えた。高まる想いを抑えて2個で我慢する自分がいた。危ない危ない。