キッチンラボでの料理時間
自宅をキッチンラボにする計画が進んでいる。パリに住むフランス人の友人のように毎年リノーベーションを重ねている。直近では20年選手だったらNATIONALマークの冷蔵庫が入れ替わり、そしてダクトも代わり、なんとコーヒーのローストマシーン用のカウンターも完備されるという進化ぶり。そして僕の愛するぬか漬け専用の冷蔵庫も完備された。このキッチンラボにはWAGYUMAFIAで必要なもののほぼすべてが揃っている。新しい器もそうだし、すべてのダウンライトはハロゲン光源で2800に設定されて調光も出来る。僕はとにかく細かい性格だ、自分の中で納得出来ないものはどうしても人に紹介する気がおきない。完璧を求めていったら、家の方がWAGYUMAFIAよりも完璧なセッティングになっている状態になったということだ。
キッチン前には書斎があって、デスクトップ好きの僕にとっては大きめなMac Proが鎮座している。朝起きるのが早い僕は、ちょうどニューヨークにいる弁護士との時間とシンクロしていてミーティングをする、そこからLAチームと香港チームと大音量で会議をする。デスクはここ数年気に入っているのが、フリッツ・ハンセンのエッグテーブルだ。奥行きがまあまああるので、大画面のマックでも調子がいい。作家には申し訳ないが、テーブルの上はサインしなくちゃいけない書類や読まなくてはならない書籍などが山積みされている。フリッツ・ハンセンの名机をこのように使っているの少し失敬だが、ハンセンとなるとリセールすることも出来て引っ越しの際なども都合がいいのだ。このあたりは以前もコラムにまとめたので読んでもらいたい。
今日もラボで料理をしていた、ちょうど1歳になった娘の離乳食が切れそうなので、ミニ弁当を作る。鳥ガラと羅臼の昆布、そこに生姜と青ネギ、舞茸としめじをたっぷり入れてコトコト出汁を取る。会津米の玄米を五分づきして、30分浸水。濾したスープを沸騰させて、米を入れる。そこから炊き込んでいく。その間に鶏レバーの実験をする。YATCHABARの焼き鳥メニューである。先日分けていただいたたまりをベースにタレを作っていく。炭もいいが、フライパンベースで焼く鶏も美味い。そんな感じで手羽とレバを調理しながら、炊きあがったお米を分けていく。料理という行為はオシャレな時間泥棒である。キッチンに立っていると何故か時間の経過を忘れてしまうんだよなぁ。土曜日の朝のキッチンラボでの時間だった。