![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152732814/rectangle_large_type_2_8773031cdc62aa9bfd8feded43e7108e.jpg?width=1200)
レストランデザインにおける借景的な背景デザイン
僕がスペースデザインをするときにこだわっているのは、画角を決めるということだ。これは映画時代に常に画角で考えていたということもあるが、簡単に言うと背景を決めるということだ。一番最初にデザインしたコポンノープものときもそうだったが、僕はいつもフレームワークの中にアートを入れるという背景デザインをしている。言い方を変えると箱庭を作るという作業に似ている。これは龍安寺の石庭を幼い頃に観て感じたことと、同時期に借景という美しい言葉に出会ったからだ。レストランにおいて借景という概念は空間そのものが自己所有のものであるから、借りているわけではないのだがビジュアルのメイン/サブという概念で考えるとあ明らかに借りている関係にあると思っている。
これを友人は実に日本的なデザインと言う。僕はもう一つレイヤーでのデザインをしている、常に3つのデプスでレイヤーをイメージするようにしている。ゲストポジション、キッチンポジション、リアポジション、僕がデザインしたどのレストランを観てもらったも実はこの概念が成り立つようになっている。壁で仕切るのではなく、動きを異なるレイヤーで用意することによって落ち着きと動きの心地よさを感じることが出来る。
なかなか全ては実現出来ないと思うが、こう考えるとわかりやすい。まずは弁当に区画を決める、何を盛り込むか決める。その弁当を3段重にする。端的に言うとそんなイメージだ。ここに動的な要素、人の動き、香り、音などが加味されてくるからレストランデザインは単なる住居のデザインよりも面白い。人それぞれのデザインの方法論があるが、僕はこの2つの要素を特に重要視しており、最新のデザインアウトプットして発表するのがWAGYUMAFIA NAGASAKIである。毎回進化していくのがデザインであるが、そこには機能美という進化もある。そのあたりはまた追々、ここに書いていきたい。