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国境の町アカバで味わう静かな贅沢と歴史の余韻
ヨルダンで唯一海に接しているアカバ、イスラエルが目視出来る県内にいることもあり、近くに来るとGPSがジャミングされて使えなくなる。戦争が始まってから観光客は激減したと友人は語った。海外からのインバウンドも急遽取りやめになることも多いという。少し先に進むとサウジアラビアだ、国境がもう少し違ったらヨルダンも石油産出国になった。中東のスイスと呼ばれるヨルダン、各国の大使館の多くがアンマンに集まることでもそう言える。こののどかな紅海の水面からキラキラとする光を見ているとどこか優しい気分になる。砂漠からの熱波が遅れて背中から届き、山の方に目をやると紅い岩肌が真っ青の空に見事に融和する。
行きつけの魚料理がある。朝の漁からあがったばかりの魚たち。大抵はエジプトなどから輸入するのだがこの店だけはヨルダンの港にあがった魚を使っている。クエ系がオススメでシンプルにグリルしてもらう。シュリンプ&クラブサラダがオススメで、フレッシュなエビと似つかわしい日本のカニカマが妙に合う。ふと気になってみて調べてみたらもう半世紀が経つ。元はクラゲ肉の開発をしていた蒲鉾屋は開発したこのカマボコがいつの日かカニ肉として認知されるようになって久しい。おそらくカニカマを食べるのはアカバのこの店だけだろう。なぜかとてつもなく美味しく感じるのである。
今年だけでも中東へ足を運んでいる数はとても多い。サウジアラビアに店があることもあるが、日本からは「なんで中東?」という人が多い。夏休みで沖縄に足を運んでいる人が多いが、僕ならアカバか死海を選ぶ。日本からの距離は遠いが、まだ中東には日本人が知らない場所が多く存在している。食がご縁でこういう機会をいただいていることをとても感謝するのであった。