#トラペジウム 見てきました ネタバレ感想

と書きましたが展開はだいたい公式がネタバレしてますし、
それで何か困る映画でもないんですが。

事前に聞こえていた噂から考えるに

TMレボリューションの「Vestige」が流れてくるような、
狂った歯車が悲鳴を上げる様をねっとり描いた映画なんだろうか…
と思ってました。そういう方向ではなかったです。
思っていたよりは大分爽やかなお話でありました。

とはいえ、しかし。Vestigeに
「夢中で傷つくことを「イキル」と言うなら 消えない君だけが真実」
という歌詞があって、これはもう本当にドンピシャでした。
「残して此処に 眩しく儚い 僕等の傷痕(あと)を」
続くこれもドンピシャ。

いやVestigeが完璧に刺さるアイドル?アニメって何だよ?!
って声が聞こえてきそうですが、
本当にそんなお話だったからびっくりです。
当時のシン・アスカにかなり思い入れがあって大好きな歌が、
こんな形でリフレインするとは思わなかった。

…私がシン・アスカから目を離せなかったのって、
真っ暗闇の中でもどうしても成し遂げたいもののために、
必死で頑張ってたからなんですよね、考えてみると。
当時はまさか制作者が結末を見失って迷子になってたなんて、
考えもしなかったなぁ…

無我夢中で突き進む姿は誰かが見てるし覚えている

トラペジウムみたいな形ではないんですが、
実はこれ私も経験あるんです。
いや運動音痴なりに水泳部で頑張ったり、
全然実務出来てないけど文化祭のステージ責任者になったりで、
やってる最中の事は、特に文化祭の方は、
しんどかった事以外は殆ど覚えていないんですが。
後から話を聞くと「ああ、自分頑張ってたんだな」って事がありまして。
人に言われて初めて気がついたという笑い話です。

周りにもそんな人がいました。
本人にはそんなつもりは無いのかもしれませんが、
とにかく凄まじい行動力がある人がいると、
ついて行ってみたくなるんです、人間って。私もそうですし。

思惑の摩擦は「東西南北」をズタズタにしてしまったけれど、
けれどそこにあった四人のトラペジウムは後に残ったのかな、なんて。
そりゃ目の細かいヤスリで削られていた当時の四人からすれば、
たまったもんじゃなかったんですが、
後で振り返ると鏡みたいな輝きにも見える、とでも言うのか。
やっぱりラストのあの写真はきれいでした。
それこそ徹底的に磨いた石みたいで。

周りがみんないい人だよね、アイドルものでも滅多に見ない位に

これはすごく思いました。
仮に誰かに悪意があったら残酷無惨劇になってた筈。

…元アイドルの人が書いた脚本なんでしたっけか。
その人はもっと壮絶な悪意に晒されてたんだろうかなんて思うと、
かなり背筋が寒くなりました。

人を信じたいと思うに至るまでに何があったのか、
知りたいような知りたくないような。

この子達が、例えばラブライブのある世界線に生まれてたらどうなっただろう

これもすごく思いました。作画が同じ人だから余計にね!
甲子園みたいに目標と終わりのある青春とは違って、
行き先が無かったからああなってしまった所は多分にあるので。
じゃあ「アイドル」という夢に、ある程度の具体的な目標や終わりが、
仮にあったらどうなっていたのだろう。
それこそラブライブみたく、例えば1年づつの区切りがあって、
地区予選突破とか全国優勝みたいな目標…締切と言ってもいいかも、
ゴールがあったら完走できてたのだろうか、なんて思ってしまいました。

いやまぁ明日が見えない見ていないからこそのお話なので、
そんな仮定を立てる意味はあんまり無いのですが、
でも気になります、すごく。
スクールアイドル「東西南北(仮)」の軌跡あるいは瓦解。
ちょっとこれは大分見てみたいかも。

…最初に思い出したのが矢澤にこ。言われてみると優木せつ菜も。
あるいは東ゆうみたいな事になってたのかもしれません。

青春にはゴールがあった方がいいのかな、なんて思った

部活、学業、留学…
青春において突き進む事ってだいたいゴールが決まってますね、
考えてみると。だからページで収まってくれる訳で。

トラペジウムは最終的に収まる所に収まれたから良かった。
そうならなかった世界線もきっとあるのでしょう。
四人が二度と再開できなかったような…

でも当事者にはゴールなんて分かりませんよな、だから走れる訳で。
私もそうでしたし。

一周回って最後に

アイドルに限らず、スポーツであったり同人活動であったり、
とにかく当事者はあんなに必死にやってるんだから、
応援する側でもある自分も、もっと真剣に彼ら彼女らに向き合いたい、
そんな事を考えたりしました。
特にここ最近何もかもが片手間になってたから余計に。

という事で、私が応援してる人々で直近に出番が来るのは誰だ。
カープだ!
よっしゃ明日はちょっと気合入れて応援するか!
なんて気持ちになりました。

推している人がいる、必死で頑張ってる人を知っている。
そんな人におすすめの映画です。
気持ちを新たにする事が出来るかもしれないので。


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