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わたしとドンキとインド人
これは、私が大学生の時の話である。
友達と飲みに行くことになり、繁華街で待ち合わせをしていた。
先に私が待ち合わせ場所に着き、スマホをいじりながら友人を待っていると、いきなり声をかけられた。
見上げるとインド人がいた。
インド人は、カタコトで「ドンキホーテ、ドコデスカ?」と尋ねてきた。
私は説明しようと思ったが、ドン・キホーテの場所をうまく伝えられる自信がなく、約束の時間までまだ余裕もあったので、
そのインド人をドン・キホーテまで案内することにした。
たしか、「カモン、レッツゴー」と言った気がする。
とにかく、案内するよ的なジェスチャーをして見せた。
インド人は笑顔を見せてくれた。
そして、何かヒンディー語なのか何かしらの言語でお礼(と思われる)言葉を言ってくれた。
その後だった。
インド人は後ろを振り返り、大声で「○*〒3€*×!!」と叫んだ。
その瞬間、繁華街の至る所から、ゾロゾロとインド人たちが現れ、最終的に30名近く集まったのだ。
そして、私はその30名のインド人を引き連れて歩く謎の日本人と化した。
彼らをぞろぞろ引き連れながら歩く私は、一瞬にして繁華街の注目の的となった。
無事にドン・キホーテに彼らを連れて行った私は、彼らから何かヒンディー語なのか何かしらの言語でお礼(と思われる)言葉を背に受けながら、その場を後にしたのだった。
その話を後から来た友人にしたのだが、「30人は盛りすぎだ」と一生に付された。
違う、本当なのだ。冗談でも大袈裟でもなく、30名ほどのインド人がいきなり現れたのだ。
彼らは繁華街のコンビニや店にひそんでいたのだ。
そして、ドン・キホーテへ導く日本人を待っていたのだ。
そんな私の思い出の話。