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翼の折れたレッドブル
先日、職場(予備校)宛に電話がかかってきた。
翼を授けるでお馴染みの「レッドブル」からだった。
どうやら、受験生向けへレッドブルの無料配布を行っているらしく、届けてもいいかとの内容だった。
特に断る理由は思いつかなかったので、対応していた同僚はOKを出していた。
それから1時間ほどして、レッドブルのリュックを背負った若い女性が現れて、20本ほどキンキンに冷えたレッドブルを置いて行った。
普通に買えば一本210円くらいの品物である。
ものすごいマーケティングだなぁと思うし、「アンパンマンの世界線みたいだな」とも思った。
さて、受け取った時に気がついた。
この日は共通テストの前日だ。
受験生へは追い込みというよりは、明日に備えてぐっすり眠ってほしい日である。
そんな日にレッドブル配っていいのか?
流石にまずいだろうし、何かあってもいけないので、大量のレッドブルは生徒へ配られず、職場の冷蔵庫へ収納されることとなった。
職員や出入りの方たちへの差し入れということになったレッドブルだが、あれから1週間経ってもなかなか減らないままでいる。
まあ、たしかに、レッドブルの差し入れで喜ぶのは20代くらいかなぁ…
私自身も、嫌いではないが本当にしんどい時はエナジードリンクではなく栄養ドリンクを飲む。
そんなわけで、未来へ羽ばたく受験生たちに翼を授けようとやってきたレッドブルたちは、行き場をなくし、冷蔵庫の中で一本一本巣立ちの時を待ってる。
耐えるんだレッドブル。
必ず君たちを必要とする人たちが現れるはずだから。