【alt.1】私が好きなモノ
私はタピオカが好きという話
タピオカ好きは、高校2年生の文化祭から始まった。
ほぼ男子校と言えるような男ばかりの学校に通っていた。
私のクラスは、「文化祭の出し物なんて面倒い」と感じるような人の集まりだった。
文化祭のテーマを決める時、「このクラスで出し物をすることが、生涯の中でも良い思い出になる」と思い、自ら珍しく意見を出した。
「タピオカ、やらない?」
ウェイ〜
そうして決まった。
そこから準備は早かった。
部活のキャプテンをしている人が複数在籍するようなクラスだったため、リーダーシップの高い人が多かったと思う。
着々と準備が進む姿を私は楽しんで見ていた。
しかし準備の途中で問題が発生した。
生徒会から1クラスごとに割り振られる経費が、タピオカ制作の費用に満たないのだ。
私は柄にも無く更に意見を出した。
「1人500円集めて、赤字経営しない?」
ウェイ〜
着々と準備が進む。
この文化祭を機に、タピオカ好きを今でも口に出している人は、私以外にいないだろう。
しかし、この文化祭の経験をへたことで、「文化祭ってこんな感じだよね〜」という日常会話に、共感できるタイミングが多々あったのではないかと感じる。
私は、未来のどこかで過去の共感を行うために、あらゆる経験を積んでいるのではないかと感じる。
しかし、この共感のための経験が原因で嫌われたりするのだ。
友人A「俺、文化祭で出店やったんだけどめっちゃ大繁盛したわw」
おだやかパパ「わかる!消費が早いと大変だよねw」
友人A「は?」
彼が欲しいのは共感ではなく、驚きであった。
私は、共感できてしまった。
文化祭なんてやらなければ良かったのだ。
私はタピオカが好き。
お願いだから私の前に、タピオカ好きを共感されたく無い人が現れないでいてほしい。
タピオカ好きになった私を、
嫌いになりたくないのだ。
「コミュニケーションは、
『そんなの初めて』の連続である。」
おだやかパパ
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