1. 志望する大学院を探す〜オンライン海外大学院入学準備編〜
「オンラインで海外大学院に入学したい」なら、何よりもまずここからスタートです。
しかし、いきなり調べ始める前にアドバイス。
ちょっと面倒かもしれませんが、以下の質問について自分なりの答えを探してみてください。
1. 自分のニーズを明確にしよう
なぜ大学院で修士号を取得したいのですか?
日本の大学院ではなく、海外の大学院に進学したいのはなぜですか?
海外に行かず、日本で(オンラインで)授業を受けたいのはなぜですか?
次の項目を優先する順番に並び替えてください(学ぶ分野・進学先の国・学費・英語力(低くても入れる)・大学の有名度)
これらの質問に答えることによって、①短い時間で効率的に進学先を探すことができ、②大学院入学時に提出する志望理由書に書く内容を深めることができます。
ちょっと恥ずかしいですが…私の回答(過去形)はこんな感じです。
ぜひ、皆さんの回答と照らし合わせてみてください。
なぜ大学院で修士号を取得したかったのですか?
前半の文章だけで考えると、
・国内外のスポーツ専門学校に通う
・CourseraやUdemyなどで海外の大学院の授業を受ける
などの選択肢があり、別に大学院に進学しなくてもできそうですよね。
というかむしろこっちの方がコスパが高いです…
しかし、私はいつか博士号を取得したいと考えているので、「有効な」修士号を取得することが絶対条件でした。
(有効な修士号とは:日本で博士課程に進学するときに入学要件を満たすことのできる、きちんとした修士号という意味。)
つまりポイントは、なぜ大学院なのか?なぜ修士号なのか?という点ですね。
これを考えておくと、志望動機書を書くときに役に立ちますよ!
日本の大学院ではなく、海外の大学院に進学したかったのはなぜですか?
私は学部で心理学・教育学を学びましたが、プロの空手指導者となるためにスポーツ科学を学んでみたいと思いました。
日本の大学院に限りませんが、研究重視の大学院は入学前に研究計画書を書き、そのテーマに焦点を当てて実験・調査を行い、論文を書くというのが典型です。
しかし、イギリスの"Taught"修士課程コースやアメリカの大学院では、座学中心の知識インプットベースの授業が提供されます。
(研究ベースの修士課程コースももちろんありますよ!)
これは私を含め、幅広い知識を身につけたい方にはぴったりのコースだと思います。日本の大学院でこのシステムはあんまりないですよね。
海外に行かず、日本で(オンラインで)授業を受けたいのはなぜですか?
空手は言わずと知れた日本の伝統文化であり、日本で空手を修行することが上達への一番の近道です。
さらに有難いことに、私は空手の指導者として大切な生徒様を持っておりますので、自分の都合のために日本を去ることは選択肢としてありませんでした。
そのため、日本で指導をしながら海外で学位を取るには、オンラインで進学する必要がありました。
次の項目を優先する順番に並び替えてください(学ぶ分野・進学先の国・学費・英語力(低くても入れる)・大学の有名度)
私はこんな順番です。最先端のスポーツ科学を学びたいけど、英語力が…(泣)という感じでした。
どうしてこんな順位付けをやるのかというと「優先順位をつけることによって、自分の希望に合った大学院を絞りやすくなるから」です。
全ての条件が揃った大学が見つかれば最&高なのですが…なかなか難しいですよね。
何かを優先して、何かを妥協しなければならない可能性が高いので、自分の優先順位を明確にしておくことをオススメします。
2. 修士号取得コースを探してみよう
さて、自分のやりたいことは明確になりましたか?
膨大な数のコースから、自分のニーズを満たすコースを効率的に探すためにも、自分がやりたいこと(ゴール)を明確にする必要があります。
それが終わったら、実際にコースを探してみましょう。
基礎編: 検索のコツ
効率的に欲しい情報を得るためのコツがあるので紹介しますね!
パソコンを使いこなしている人は読み飛ばしてください。
英語のReadingが日本語のそれと同じくらいの負荷しか感じないひとであれば全く問題ないのですが、大学院のコースを調べるときに読まないといけない英文の量は膨大です。
そういうときに便利なのがGoogle Chromeの自動翻訳機能です。日本語ではない文章を開くと右上に出てくるアレです。
出てこないときはページを右クリックすると「日本語に翻訳」と出てきますので、それをクリックしてください。
これで長ったらしい文章も、日本語で概要だけつかむことができます!
ページ内の単語を検索してくれる機能があるのですが、ご存知ですか?
これを使うと、開いているWebサイト内から指定した単語を探してくれるのでとても便利ですよ!
Windowsパソコンで「Ctrl + F」、Macパソコンでは「command + F」を同時に押してみてください。
すると、画面右上に検索ボックスが出てくるはずです。そこに検索ワードを入力すると…
こんな風に、特定の単語(computer)を探してハイライトしてくれるんです!「Enter」を押すと次の単語の場所に移ります。
また、検索するワードにスペルミスがあると、一致結果が0になってハイライトしてくれないので気をつけてください。
調べてみるとよく分かると思うのですが、完全オンラインで学位を授与するコースって、専門分野によっては結構少ないんですよね。
だから、良さそうな大学のHPを見ては「オンラインないんかーい」となります。これを何回も繰り返すとしんどくなってきます。
そういうときは、「オンライン」や「修士」という言葉を必ず含んでいるページのみを表示してくれる、完全一致検索をしてみてください。
「"」の文字で絶対に含んでいて欲しいワードを挟むだけです。
この場合、"online"というワードが含まれている関連ページのみが表示されます。
オンラインの修士課程コースがない大学はこの検索方法で除外されるので見なくても分かるようになります。
これは知っている方も多いかもしれません。Google先生は前の方に書かれた単語から優先的に調べる性格をお持ちなので、重要な単語を前に入れるようにしてください。
「Study Portals」・「Masters Portals」・「Study Portals Online Courses」などのポータルサイトや各国がまとめた大学のコース横断検索サイトのようなものはあるにはあるのですが…
半端なく使いづらい
最新の情報でない
専門学校的なところのコースばっかり出てくる
大学のコースが網羅されていない
などなど…管理者の方々、いっぱい文句を言ってごめんなさい。
私が調べたときの話なので、ご自身の興味のある分野でちょっと試してみてください。使えれば超便利だと思います!
試しに「Study Portals Online Courses」のリンクを置いておきます。(もし使えたら教えてほしいデス)
大学院・コースの検索方法
前置きが長くなってしまいました。実践編に移っていきましょう!
早速、オンライン修士課程のコースを探していきますが、いきなり〈online master's course〉のようにそのまま検索しないでください!
しても良いのですが…多分、あんまり希望通りの大学(知名度のある大学のコース)が見つからないと思います。
説明動画(動画は音声がないので字幕で見てください)
STEP 1. "THE ranking"で検索
Times Higher Education (THE)が出している、THE世界大学ランキングのHPへ移動します。
最新のランキングを開いてください。
STEP 2. (決まっている場合は)国・専門分野を指定する
行きたい国については、研究ベースの修士課程に進みたいのであれば時差の少ない国を選ぶと良いと思います。担当教授とのZoomミーティングとか、変な時間にやるのダルいですよね。
座学ベースの方であればミーティングとかないので…
自分の使える言語(主に英語)で授業が提供されるならぶっちゃけどの国でも良くない?と私は思いました。
なので、私はどちらも指定しないで調べました。
STEP 3. 新しいタブでランキング上位の国の大学名 + "online (distance)" mastersで検索
アメリカの大学院を探す人は上の例、イギリスの大学院を探す人は下の例を参考に検索してみてください。
アメリカでは"online"、イギリスでは”distance learning(遠隔学習)”という言葉がよく用いられます。
STEP 4. 興味のあるコースの詳細を読む
コース内のHPで授業の内容やカリキュラム、学費の情報などを手に入れることができます。
アメリカは大学事務の方のサポートが手厚いので、特に気になるコースのパンフレット(brochure)をもらうとついでに色々教えてくれて良いと思います。
逆にイギリスはサポートが必要最低限なので自分で頑張るか、お問合せを自分からする必要があります。(問い合わせた内容についてはきちんと答えてくれると思います!)
STEP 5. 要件を確認する
興味のあるコースが見つかったら、要件の確認をしましょう。入試を受ける資格があるかどうかのチェックです。
チェックする項目は、"general/entry requirement(一般・入試要件)" と "international/English requirement(国際・英語要件)"の2つです。
では、要件の確認方法について、私が卒業したフロリダ大学のコースを例にお話します。どの大学も似たような感じだとは思います。
① Entry requirement(入学要件)
入学要件は修士課程コースのHP内、もしくは大学院のHP内にあると思います。まずは興味のあるコースのHP内で要件を探してみましょう。
コースHP内で見つからない場合は、〈(大学名)+(コース名)+ graduate requirement〉で探してみてください。
一般要件には要件と関連する提出物が一緒に提示されていることがほとんどです。提出物は後で用意しますが、先に目を通しておくと良いでしょう。
GPA
GPAが分からない人は、真っ先に成績をGPAを換算してください。
語学試験の点数と異なり、GPAはこれから努力して上げることができません。しかも、GPAが低いと入試に少し不利です。
しかし、基準を満たしていないからといって受験ができないわけではありません!
GRE、GMAT
また、アメリカの大学院の入試には通常、GREやGMATといった特別な試験のスコアを要求されます。しかし、オンラインの修士課程のコースでは、これらの試験結果の提出が必要ない場合も多いです。
学士号取得分野の条件
コースによっては、学部と大学院のコースの専門分野が関連している必要がある場合があります。(例えば、文学部の学士号ではスポーツ科学の修士課程に入学することができないなど)
これらの一般要件を満たしているかどうかを確認しましょう。
② English requirement(英語要件)
IELTS 7.0とかある英語強者の方はスルーしていただいて大丈夫です。
自称ではなく、本物の英語弱者の方、一緒に頑張ろう。(IELTS Speaking 5.0の人より)
"International requirement"や、画像のような"International students"といった留学生向けの募集要項がありそうなページを開きます。
大学によって異なりますが、TOEFLやIELTSの点数が低くても入学を認めてもらえるコースは探せばあります。
〈low TOEFL(IELTS) masters〉とかで調べてもたくさん大学が出てきますが、有名どころは英語要件高いことが多いです。
フロリダ大学は英語弱者に本当にオススメです。(大学の回し者ではない)
STEP 6. 新しいコースを探す(STEP 3に戻る)
同様にオンライン修士課程コースを探します。自分が納得いくまで繰り返しましょう。
悲しい思いをしないために…
先ほど話した通り、海外のオンライン修士課程コースには詐欺のリスクがあります。
お金だけとられて学位はもらえない、授業が受けれないなんて最悪ですよね。また、学位がもらえても社会的に、学問的に価値のない学位では意味がありません。
こういったことを防ぐために、進学先が「きちんとしているか」を調べる必要があります。
調べ方は以下の2つです。
Accreditedをキーワードに調べることによって、詐欺のリスクを大幅に減らすことができると思います。
基本的には、「University of (国・州・地域の名前)」という名前のついた大学は信用が高いです。
逆に聞いたこともないような大学は”Accredited”かどうかを一応調べてみると良いかもしれません。
では、健闘を祈ります!
おしまい。
・次の記事はこちら。
・オンライン海外大学院進学に関する全情報のまとめはこちら。