スタッフは何を食べているか
2006年3月14日 (火)
料飲部門で働いていると、お客様からよくお声をかけられます。
「あなたたち、毎日こんな美味しいものが食べられていいわね~」
いったい今まで何人の方から、同じことを言われたでしょう?
みなさん、お客様にお出しするのと同じものを、スタッフも食べていると思ってらっしゃるんですね~。
ええと、個人営業のお店などでは「まかない」と言って、スタッフ用の食事を厨房が作り、それを食べることがあります。
また、チェーン店などでは食事補助の名目で、メニューから好きなものを選び、半額ぐらいは本人負担で食べさせているところもあります。
でもですねぇ、お客様とまったく同じものを、普段の食事用にスタッフに食べさせるということは、基本的には無い、と思いますよ。
ただ、お客様にお出しするのに味もわからずというわけにはいきませんから、一つのコースをみんなで試食とか、そういうことはありますけれどね。
余談ですが、自分でお金を出してウチの料理をいただいてみる、というのも勉強になります。
スタッフいわく
「自分の財布からお金が出て行くと、俄然シビアになる。果たしてこの金額に見合った料理とサービスなのか、それが良くわかった」
とのことですよ。
ウチの会社には従業員食堂があって、本来は厨房の調理担当もサービススタッフも、そこで食事をすることになっているんですが、その理由はふたつあります―。
1.原価管理を厳密にするため、スタッフ用のまかないを
禁じている。
本来、調理場が仕入れる食材は、すべてお客様のため
のものです。
それはすなわち「商品」ですから、「販売」すること
なく消費して良いものではありません。
2.非料飲部門と、料飲部門の社員間の不公平感を無くす。
会社ですから、料飲部門以外にも社員がいます。
料飲部門だけ「まかない」があって、他の部門のスタ
ッフは、自前で調達するか、従業員食堂を利用するか
しか無いならば、それは不公平というものです。
それでもまあ、調理場だけは「まかない」を作って食べている、ということは往々にしてあります。
通る言い分としては、「食材にはロスが出る。そのロスを無駄にしないようにまかないを作るし、同時に若い作り手の練習にもなる」このあたりでしょうか―。
食材は本当に原価管理が難しいのですが、少し前なら「どんぶり勘定」で済んだあれこれが、今は通らないシステムになっているところが多いですからね…。
…あれ?原価管理の話じゃないですよね?
あぶないあぶない、「スタッフのご飯」の話でしたっけ。
ウチのスタッフは、もっぱら従業員食堂にお世話になっています。
ランチタイムの営業が終了すると午後3時ですから、それからが私達のランチタイムというわけですね。
他のお店に行ってみたくても、その時間はたいていどちら様も同じクローズタイム―。
意外と近所のお店を知らないのは、このあたりも原因ですね。
他の部門のスタッフはとっくに食事が済んでる時間ですから、ほぼ貸切でゆっくり食べさせていただいています。
みんなきっちり着物着てますけど、良く食べますよ~。
だって食べないと、夜22時まで持ちませんものね。17時に夜の営業が始まったら、休憩無しで5時間ずっと動いてますから、がっつり食べてエネルギーを蓄えておきます。
サンドイッチ?菓子パン?いえいえ、そんな物ではおナカが満足しません。
温かいご飯に味噌汁、おかずが最低2皿、漬物、場合によって納豆か玉子付き!!
もちろん、おかわりだってします。
だけどね…、そこまでがっつり食べても、20時過ぎるとおナカが空くんですよぉ~。