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大川原化工機事件控訴審 F巡査部長証人尋問 (原告側による再現メモ)

<東京都>
指定代理人 嶺翔士

乙53・乙103を示す。

乙53 陳述書
乙103陳述書

これら指定代理人が証人が聞いた内容を記述し、それを証人が確認して署名押印したものか
→はい。

何か修正や付け加える点は
→乙103の2頁目、3段落目の4行目を「雑談として話そうと思い」から「情報共有と相談のため」に修正します。

乙103陳述書

証人は陳述書に記載の通り、本件外為法被疑事案に従事していたか
→はい。

あなたは当時、安積警部補の補助者だったか
→はい。

要件ハについて、第一審で安積警部補が島田氏の取調べにおいて「「殺菌とは一部でも死ねば当たる」と誤解させた」と判断されたことは知っているか
→はい。

これは事実か
→違います。

どのようなものと理解していたか
→安積警部補は、「特定又は不特定の菌を噴霧乾燥機内部から死滅させること。運用通達に書いてある通り」と述べていました。

乙3・後ろから2頁記載の、運用通達を示す。

乙3 通達

証人の言っているのは「輸出貿易管理令の運用について」にある「滅菌又は殺菌することができるもの」の解釈のことでよいか
→はい。

 安積警部補が、島田氏に示していた運用通達は、この「潜在的な微生物を破壊できる~」の部分か
→はい

これを安積警部補が示していたと
→はい。

どういう意図で示していたのか
→経産省の解釈を示すためです。

一段落下、「当該装柱の微生物の量を低減するための洗浄処理のみができるものは含まない」ここも示していたか
→はい。

この記載を示していたから、島田氏も当然、「殺菌」とは全ての菌を殺すことだと理解していたということか
→はい。

解釈について争っているということはいつ知ったか
→第一審の後です。

どう思ったか
→解釈は共通認識だと思っていたになぜ今頃と思いました。

当時、解釈について島田氏が誤解していた様子はあったか
→ありませんでした。

 なぜそう思ったのか
→通達を示していましたし、1匹でも死ねば殺菌にあたるというものではないと説明していました。島田さんだけが誤解する理由はないと思います。

 安積警部補の発言について、これは島田氏からの「少しでも菌が死ねば殺菌か」という問いに対応するものか
→はい。

 装置に少しでも菌が残っていればどうなるか
→被爆します。

 当時からもそういう解釈だったか
→はい。

 それなのに、島田氏だけ誤解させることに意味はあるのか。
→ありません。

経産省と明らかに異なる解釈を示されて、島田氏は鵜呑みにすると思うか
→いいえ。

なぜ
→社内の該非判定のメンバーだし、輸出管理の責任者として経産省とやり取りする立場なので。

島田氏は経産省に相談に行っていたか。
→はい。

取調べ以前に把握していた書類の中で、島田氏は何と言っていたか
→装置内部を100℃高温に保てば殺菌できると言っていました。

蒸気滅菌についてはどうか。
→要件ハについて、蒸気滅菌に限定するよう言っていたが、最終的にはあらゆる方法が含まれる形のものを示されたと言っていました。

他に何か発言していたか
→イ・ロの話はあるが、基本的に許可申請が必要と言っていました。

顧客からの要望に対して何か発言していたことはないか
→ある顧客から殺菌したいとの要望があり、乾熱により殺菌が可能と発言していた

立法時のパブリックコメントで何か意見を提出していたか
→毒素や病原性微生物を乾燥できるものに限定するよう要望する意見を提出していましたが、採用されませんでした。

島田氏の取調べで、それらを示す捜査資料を示していたか
→はい。

島田氏は噴霧乾燥機の非該当の理由について、何と言っていましたか
→「定置」に当たらないと言っていました。

菌の程度の話はしていたか
→していませんでした。

安積警部補が説明した殺菌の定義について、取調べメモに記載していたか
→していませんでした。

 どうして
→島田さんも我々も、要件ハが曝露防止と理解していたし、そのためには特定菌の死滅が必要と理解していたので。

特定菌を死滅させることは、当然の前提だからメモに記載するまでもないということか
→はい。

時友警部補の証人尋問で、安積警部補が誤解釈を与えようとしていたと聞いたことがあるとするが、あなたはそのようなことを時友警部補に話したか
→いいえ。

 あなたの他にそのような話をする人物はいるか
→いないと思います。

CIP機能付きの装置が輸出規制対象だとする島田氏の供述は合理的だったか
→いいえ。客観証拠と齟齬がありました。また、大川原社はCIP付の噴霧乾燥器を非該当として輸出したものがあった。

安積警部補は取調べの中で、CIP付が条文上要求されていないことは指摘していたか
→はい。

それに対する島田氏の反応はどうだったか。
→一貫してCIPが必要だと。社長や相嶋さんに言われていたと。

経産省の解釈を示されていたのであれば、CIP付に限定されないのはわかっていたのではないか
→はい。

安積警部補は、供述調書をどのように取っていたか
→PCを見せて、そのあと印字したものを見せて、それを閲覧させていました。

島田氏は内容を確認していたか
→していました。

島田氏がニュアンスが違うという不満を言うことはあったか
→ありました。

これに対する安積警部補の対応はどうだったか
→趣旨を説明して納得したものは訂正せず、そうじゃないところは訂正していました。

証人から何か島田氏に申し向けはしたか
→納得しなければ署名要らないと言いました。

いつ頃言ったか
→島田氏の取調べを開始したあたり。なので、おそらく平成31年の2、3月頃だと思う。

何故そう言う説明をしたのか
→島田氏は「言ってないことが調書になっている」と言っていたので、本人の話なので納得できないなら署名要りませんよと言いました。

乙71の資料23 2頁を示す

乙71 島田氏メール(2019/1/9)

これは島田氏が任意取調べ初期段階に、供述調書は完全に納得して署名するよう従業員に指示するメールです。これを見てあなたはどう思ったか
→私の言うことを私が言う前から理解していたんだなあと思いました。

2020年3月11日の弁解録取手続きについて。安積警部補は、弁解録取書を事前に作成していたか
→安積警部補ではないので知らないが、白紙に印字したものを見せていたと思います。

安積警部補は島田氏から録取をした上で、作成していたゲラを示していたか。
→はい。

島田氏は「社長や相嶋氏の指示により輸出したわけではない」と供述したか
→はい。

それに対する安積警部補の指摘は
→社長や相嶋さんに相談することなく、島田さんが1人で決めたの?と。

島田さんの回答は
→社長や相島さんの言葉があって、それで非該当としたと。

それで
→それは社長や相島さんの指示で、社の方針で出したということかと聞いて、島田氏も「まあ、はい」と。

「まあ、はい」という回答をあなたはどう受け止めたのか
→「そう言われれればそう」という意味かと。

そのことは、弁解録取より前の任意取調べの段階から言っていたか
→はい。供述調書にも出ていると思います。

弁解録取の話だが、島田氏はちゃんと調書を読んでいたか
→はい、しっかりと読んでいました。

署名押印の後に「まさか、警察が、こんなことをするなんて、訂正してくれていたと思っていた」と、島田氏が言っていたと、同僚の捜査官に話したことはあるか
→はい。ですが、私は、あくまでも訂正したところは見ていませんし、記憶は定かではありませんが、そういうやり取りがあったかもしれませんよと、その程度の発言だったと思います。

時友警部補は、一審で、あなたから、安積警部補と島田氏の、そのやり取りを聞いたと言っているがどうか
→弁解録取書の廃棄が発覚した後、時友警部補から「安積警部補が嫌いだ。許せない」という話を言われた。島田さんも「訂正してくれたと思っていた」と言っていたので、同調するかたちで、「それなら安積警部補が騙したんじゃない」と言いました。ただ「私は安積警部補の様子を見ていない」ということはしっかり伝えました。あくまでも憶測だと。

あなたは安積警部補がPCで直したふりをする様子を見ていたか
→真後ろに座っていたし、見ていません。

島田氏の「まあ、はい」というやり取りからすれば、該当部分を削除したり直したふりをする必要はないのではないか
→無かったと思います。弁解を訊いた上で作成していたし、島田さんも納得していたので、その削除したり直したふりをしていたことはありません。

時友警部補は安積警部補が嫌いだったのか
→本人が安積警部補のことが嫌いだと言っていました。

 濵﨑警部補は安積警部補のことを何か言っていたか
→濵﨑警部補は特に何も言っていませんでした。

丙A107弁解録取書を示す。

丙A107 弁解録取書

最終的に地検に送致されたものだが、弁解の内容は、項目2のわずか4行程度のものということでよいか
→はい。

 島田氏がこの分量を見落としたりすることはあるのか
→通常はないと思う。

安積警部補は1通目の弁解録取書を誤って廃棄したということだが、なぜか
→安積警部補がリカバリー方法を理解していなかったからと思う。

リカバリー方法とは何か。
→私なら2通の調書が出来た経緯に関する報告書をつけて地検に送ります。

一審原告は安積警部補が意図的に廃棄したと主張しているが、隠蔽すべき事実はあったか
→ありません。廃棄した調書に不都合な記載はなかったし、あえて、廃棄するはずはないと思う。

当時、安積警部補は調書を捨てようといった意図的な廃棄を示唆した言動があったか
→ありません。

甲188(コメント文書)を示す。

甲188 被疑者弁解録取状況報告書ドラフト
甲188 被疑者弁解録取状況報告書ドラフト

このコメント文書のコメントはあなたが書いたものか
→はい。

この報告書は、1通目の調書の廃棄を明らかにするために、安積警部補が作成中だった報告書か
→はい。

なぜこの報告書にコメントを付けようと思ったのか
→経緯はどうであれ、廃棄された事実がある以上、公判で指摘されると思い、より正確で詳細な報告書を作る必要がありました。それにもかかわらず、安積警部補が私に相談もなく一人で作ったことに不満があり、内容についても認識齟齬もあったためです。

これは誰に見せるために作ったものか
→福田巡査部長です。

福田巡査部長だけに見せる予定だったので、くだけた感じのコメントになったということか
→はい。

安積警部補等に意見具申するためではないんですか
→この段階ではそうです。

 一番上のコメントで「読み聞かせしていない」とあるが、安積警部補は読み聞かせをしていなかったのか
→記載したものをPC上に表示させてそれを見せて読んでいたと思います。

印字したものを読んでいないということか
→はい。

「完全なる虚偽報告」とはどういう意味か
→「目の前で処分しないと納得できない」とは島田氏は言っていないので、その意味で虚偽かと。

島田氏から「なかったことにして」と言われた認識はあるか
→はい。

 実質的に意味は同じではないのか
→意味に違いはないですが、「島田さんが目の前で処分しないと納得できないからしょうがなく」と、島田さんのせいにというか、この記載からだと、そういう受け止め方をされると思いました。

その後、安積警部補との認識の擦り合わせを行った際、安積警部補はどういう認識でこういう書き方をと言っていたか
→「自分はこう言っていたと記憶しているんだけどな」と言っていました。

島田さんのせいにするためとは言っていなかったか
→はい。

「どっちが犯罪者かわからん」というのは、証人と認識の違う報告書を作成することを指してのものか
→はい。

過激な表現だが、なぜこのような表現になったのか
→当時も今も安積警部補を犯罪者と思っていません。このような表現を使ったのは、福田巡査部長に見せるためだけのものでしたし、不満もあったからです。

丙A125を示す。

丙A125被疑者弁解録取状況報告書

最終的に送致された報告書だが、安積警部補から証人の認識について確認はあったか
→はい。

安積警部補から口止めや責任押しつけはあったか
→なかったです。

コメントでは様々な指摘があるが、これは安積警部補が島田氏へ欺罔を用いたことへの指摘なのか
→違います。安積警部補の内容と私の認識との齟齬を指摘するものです。弁録の違法性を指摘したものではないし、当時も今もそういう認識はないです。

コメント文書については、一審原告から提出されたものだが、どう思うか
→これは、正規の報告書(認識をすり合わせたもの)の完成時点で不要な物であり、弁解録取手続が違法だったという主張を立証する証拠として、原告において、誤った形で利用されていることは非常に不本意です。

本事件では、一部捜査員から様々な認識意見が述べられているようだが、何が原因と考えるか
→一番は人間関係の不和。捜査員・幹部が話に耳を傾けず捜査員も幹部の方針を理解できていなかったです。不安要素について議論を尽くしていればこんなことにはならなかったと思います。


<一審原告> 代理人我妻崇明

あなたは2020年3月31日に島田さんの弁解録取を担当しましたね
→はい。

外事一課の職員でしたね
→はい。

部屋の様子ですが、島田さんと安積警部補は机を挟んで向かい合っていましたか。
→はい。

安積警部補の前には弁解録取書を編集・印刷するためのPCがありましたか
→はい。

弁解録取に当たり、あなたはどこで何をしてましたか。
→安積警部補の真後ろで状況を聞いていました

立ってか座ってか、どちらですか。
→座ってです。

2人の様子は見えましたか
→覗き込まなければ見えませんでした。

声はどうですか
→声は聞こえました。

座っているとき、あなたはメモを取っていましたね
→はい。

弁録ですが、白紙のゲラを島田さんに見せて「読み聞け」をしたというのはそのとおりですか
→島田さんの弁解をしっかり聞いた後で(声のボリュームを上げて、強調する。)、白紙に印字してという形です。

島田さんが確認をして、「社長の指示はなかった」と申し向けたと
→はい。

それに安積さんが説得したと
→はい。

島田さんは指示が無かったと言う話をしたときに、弁録を修正したいと言いましたか
→はい。

安積さんは直さなかったわけですよね
→はい。

納得したので修正は要らないと思ったと
→はい。

乙53と乙103のあなたの陳述書です。まず乙53の3頁「3」の2段落目。

乙53 陳述書

「安積警部補が…島田氏に」のところ。ここに書かれていることが今おっしゃったところにあたりますか。
→はい。

 同じく乙103の最後のページ。

乙103 陳述書

段落変化後8行目の「ただ間違いなく言えるのは」のところ、乙53と概ね同じ意味合いだがそれに相当するやり取りがあったということでよいですか
→はい。

ゲラを見せて今のやり取りがあったとき、島田さんは「ガイダンスに沿って判断した」と言っていませんでしたか
→言っていました。

 それを弁録に書いてくれと言う要望はありませんでしたか
→要望はありましたが、安積警部補が趣旨を説明して納得していたようなので反映しませんでした。

島田さんは、ゲラをしっかり確認して印字したものを確認して署名押印した後、異議を出したと。
→はい。

あなたの陳述書で、島田さんが「私が言ったことを訂正してくれると思っていた」とありますが、これは言っていましたか。
→そう記憶しています。

乙103陳述書

あなたの記憶だと、社長なり相嶋さんなりの指示のところも、ガイダンスのところも、島田さんは納得したのにこう言ったということですか
→そうなりますね。一度納得はしていました。

納得したのにこういうことを言ったと。なぜこういうことを言ったのと思わなかったのですか。
→それは島田さんに聞かないと私には。

わからないと
→はい。

ふーん。あなたとしては、島田さんは納得して署名指印を終えたと言う認識なんですかね
→はい。

じゃあ、なぜもう1回調書を作ることになったんですか。
→それは、島田さんが興奮していたので。あくまで弁解は聞いたので。

 そのやり取りの後弁録作り直して、社長・相嶋さんの指示の部分を消して作ったと
→はい。

もう一度確認しますが、社長なり相嶋さんの指示が無かったということ、それからガイダンスを見て非該当の判断をした、島田さんはこう言ったと。
→はい。

でもそこは安積さんが説得したので修正していないと
→はい。

その後、署名指印が終わってから島田さんが異議を述べたと
→はい。

わかりました。それでは、弾劾証拠を提出しますかね(代理人間で、視線を合わせて、確認後)。
それでは今の証人の証言を弾劾する趣旨で甲204号証を提出の上で、示します。

甲204 山川ノート(表紙)

 こちらのノートは証人が書かれたものですか
→はい。

甲204

2頁目からですが、3月11日とありますね
→はい。

これは島田さんの弁録日ですね
→はい。

甲204

3枚目、3月19日。これは2020年3月19日ですね。
→はい。

最後のページ、3月24日、これは2020年3月24日ですね
→はい。

2頁目。3月11日、左半分。

甲204

ここに書かれているのは島田さんへの手続きの時刻ですね
→はい。(腕を組みだす。提示された証拠に顔を近づけ、じっと見る。)

甲204

右半分。弁録、これは弁解録取手続きついて書いたものですか
→はい。

先ほど仰っていた取調べ中に取っていたというメモというのはこれですか
→はい。

右半分。ガイドライン・相嶋さんの言葉。

甲204

これは、一つめはガイドラインに沿ってと言う話、もう1つは相嶋さんの言葉を聞いてという話を書き留めたものですか
→はい。

真ん中「指示はなかった。なぜ言ったことが~非該当の方針は・・・」との部分

甲204

この「~」は何を意味しているのですか
→いや、それは、記憶にありません(ふっと息をはきだしながら)。

ともかく、島田さんはこう言ったというわけですね
→はい。

次のページ「ガイダンスが私の判断基準になっていたんです。だからそう書いてください」。

これも島田さんの言葉ですね
→はい。(両腕を組みだす、体を左右に揺らす)

島田さんがこう求めたというのはよいですか
→はい。

修正について、安積警部補は島田さんを納得させたということでしたね
→はい。

最後から2枚目、左肩の3月11日の件のところ。

甲204

これは当時の弁録の状況を書いたものですか。
→取調べの当時に書いたわけではないですが、そうです。

 これを書いたのは、安積警部補の報告書のドラフトを見てるときですか
→はい。

3月24日とか25日頃
→はい。

そこで書いている状況の左上の部分、「取調官がゲラを見せる」これは安積警部補ということ
→はい。

これは弁録の状況を書いたものか
→はい。

訂正を申し立てた箇所は、ガイダンスと相嶋さんの指示の部分
→そうです。

その下。「わかりましたといい訂正したものを印字して読み聞け」、その後の、「わかりました」は誰の発言ですか
→安積警部補です。

「訂正したものを印字」(声のボリュームを上げ強調。)これも安積さん
→はい。

先ほどあなたは修正しなかったと言っているが、修正していますよね
→はい。

そもそもこれは、その当時の経緯を書きとめようと思ったものですよね。あなたが書いたものですよね?

<裁判官>しっかり読んでもらってから答えてもらったらいいんじゃないですか。(答えに窮し、ノートをじっと見つめる。)

 →いやですから、そこを重要視して書いたものではないです。私はあくまでも弁解録取書の廃棄に関して報告書を作成しようと思っていたので、そのために思い出して書いただけです。

嘘ってこと
→嘘ではなく、弁録の訂正についてさらっとしか書いていません。(顔が紅潮する。両手を重ね合わせる。)

ふーん。読み進めます。

甲204

「まさか警察がこんなことをするなんて」と書いてますよね
→はい。

「訂正してもらったと思っていた」これは島田さんの発言ですね
→はい。

右半分。

甲204

「起こって弁録を破ろうとする。私が制止する」島田さんを制したのはあなた
→はい。

甲204

真ん中下、「取調官が戻ってくる」。ここから調書を作り直した
→はい。

「また訂正し」とありますね。「また訂正」ここは
→記憶が無い。

無い?
→いや、ですから、それは、今は思い出せません。(声を少し荒げる。)

当時、あなたは自分が見ていないことをここに書いた記憶はありますか
→それはありません。

次のページ。左半分。

甲204

「これはもういいですね」これは安積さん
→そうです。

島田さんが「はいお願いします」と
→はい。

このときに「処分して」とまで言っていなかったと言うのはあなたの記憶どおりと。
→はい。

つまりノートと記憶は合致しているということですね。
→はい。

先ほどのコメント付き文書で「どっちが犯罪者か」というコメント書いてましたよね。そこまでのことを書いた理由をもう1回説明してもらえますか
→結局、弁録の経緯はどうであれ、廃棄されると公判で指摘されると思い、より詳細な物を作るべきと思っていたのに、安積警部補が一人で作ったからです。コメント付き文書は、大前提として、福田巡査部長にだけに見せるつもりでした。

貴方当時巡査部長ですよね
→はい。

職位的に安積警部補が上位ですよね
→はい。

上司を犯罪者呼ばわりするんですか
→まあ、はい。

相当異例のことということですか。
→まあ、正確な文書を作らなかったことに不満でしたので。

あなたの過激な言葉を使ったのは、弁録の状況を作るときに話を聞かなかったことではなく、事実と異なることを書いていたことに怒ったのではないですか。
→記憶と異なるところもそうだし、不満も強いです。

殺菌解釈の誤解について、主尋問で運用通達を示したと仰ってましたね
→はい。

運用通達に公安部の解釈は全て書いてるか
→そこには書いていないです。

乙6の2の2頁目。真ん中の問答形式。「答」の部分

乙6の2 取調べメモ 2018/12/20

「実は私も改めて勉強したんだが~」と、まず記載がありますね
→はい。

「答」を言ったのは島田さん
→そうだと思います。

「問」で「滅菌はあらゆるものは死滅~」と書いてあります。
→はい。

これは安積警部補が
→はい。

このとおり言っていたか
→覚えていませんが、メモにはこう書いてますね。

メモにはこう残っていますが、このときから解釈は決まっていたんですよ
→はい。

じゃあ安積警部補がその解釈をここで示さなかったのはなぜですか
→それは安積警部補じゃないとわからないけれども、運用通達をその後で示しているので問題は無いと思います。

丙A87。資料3のところ。1枚目。真ん中より下

丙A87 営業会議議事録 2012/4/25

「「島田」SDは4月から輸出対象商品になりました」と書いてますね
→はい。

主尋問で言っていた、規制開始時に基本的に許可が必要というのはこの箇所のことですか
→はい。

この発言は2012年です。
→はい。

日本で本件要件ハを含め、規制要件3つが定められたのは2013年です。
→はい。

そこの議事録の発言は、要件ハを含め、イ・ロも省令で定まる前の発言ですよね。
→この当時には条文は決まっていたと理解しています。

条文が決まっていた?
→私は示されていたと思っています。

今の島田の発言は、省令規定前の発言と確認しましたよね
→施行される前ですね。

2012年の時には日本語の省令になっていないのでは
→ですから、ある程度形になっていたと言っています。

あなたそのこと知っていたの
→経産省とやり取りしていたので知っていたと。

島田さんの「CIP機能のものを該当」という供述は不合理と思っていたということですよね。
→はい。

その根拠はCIP付機器を非該当して輸出していたからということですよね。
→はい。

それはどのケースのことか覚えていますか。
→思い出せません。

じゃあ資料見せましょうか。乙6の32。3頁。

乙6の32 取調べメモ 2019/10/9

「WGCに輸出した装置はCIPが付いているのに非該当。CIPが該当と言っていないのでは」と書いてますね
→はい。

CIP付だけど非該当して輸出しているのはWGCのケースではないですか。
→はい。

WGCの件で輸出した噴霧乾燥器について、島田さんは他に何か言っていませんでしたか。
→言っていません。

甲187。5頁。下線部。下6行目。

甲187 録音反訳 2019/11/1の取調べ

「こないだWGCに行ったと言っていましたよね。~乾燥運転~空焚きなんて無理な言葉遣わなくていいんですよ。」これは安積さんが島田さんに聞いている箇所ですか
→ここに書いてあるということはそういうことでしょう。

「ではこの装置は該当ですか。」これは島田さん
→はい。

「完全に該当ですね。」これは安積
→順番的にそうでしょうね。

6頁。3行目。

甲187 録音反訳 2019/11/1の取調べ

「いや定置ではないと言っているんですよ。そういう風に考えていました」と書いてますよね。
→はい。

WGCについては、CIP使うためには噴霧ノズルを付け替える、分解必要と言っていたのではないですか。
→文面ではそうだと思います。記憶には無いです。空焚きについては言っていたが、(島田氏の説明を不合理と考えた)理由はこれだけではありません。

聞き直します。今示した取調べ以外でも良いんですけど、CIP付きの器械を非該当として輸出したケースについて、島田さんが定置じゃないという弁解をしていたという記憶はあるんですか。
→記憶はありません。

 <国> 特になし 

<東京都・再主尋問>
甲204。ノートは自身作成と言ったが、なぜそう思ったのか
→私の字ですので。

 どういうノートか
→取調べ状況のメモです。

ノートそのものを見せるためのものか
→違います。

これまで、コピーを渡したことは
→ありません。

証拠としてなぜ現れたのか
→わかりません。

内容について。2枚目3月11日、弁録の日。ここに書いていることは行われたことで良いか
→はい。

発言内容についてどこまで弁録に記載するかは取調官の判断で行うものですよね
→はい。

 末尾2枚目3月11日の件(その1頁前に3月24日のメモがある)
この部分を記載したのは、時系列的に3月24日以降のものか。
→そういうことになるし、弁録は廃棄された経緯があるので、この記載は訂正云々を書き留めようと思ったものではありません。2頁に私の認識も書いているし、廃棄の経緯を明らかにするためにこういう分を作ったのであって、違法性について書いたものではありません。

主尋問のコメント文書や丙A125について、ノート記載の後にコメントを付したか
→はい。

コメント文書の後、安積警部補と認識擦り合わせをして、正式なものを作成、送致と言うことか
→はい。

 ノートの中で「キータッチをしていた」とあるが、その状況を見れる位置にいたか
→いません。

聞こえたと思うが、どういう入力をしていたか把握していないか
→把握していません。そもそも端折って書いたものです。

ドラフトから正規版に入りキータッチ音があると不自然だと思うか
→思いません。

安積警部補が直すフリをしたという訳ではないのか
→そうですし、状況を端折っているので、訂正申立て後のところを報告書に残そうと言う趣旨で書いたものです。

最後のページ、冒頭2行目。「はいお願いします。なかったことに」これは証人が島田さんの発言を記載したものか
→はい。

 コメント文書にも同じコメントがあるが、証人の記憶に基づくものか
→はい。

証人の記憶は絶対的に正しいと言う認識か
→絶対的ではないが、正しいと思っていました。

安積とすり合わせて、一部訂正、一部不訂正ということか
→はい。

最後に、甲204のノートについて、作成から現在までどこでどのように保管していたか
→私のデスクの引き出しに保管していました。

誰かに内容を見せたりしたことは
→ないです。存在を知っている人はいたと思います。

一部捜査員はいたかもしれないが、内容を見せたことはないと
→はい。

 取調状況報告書を作成する際に、甲204のノートを安積警部補に見せたことはあるか
→いいえ。

<一審原告再反対尋問>

今、甲204の話で3月11日のところで、結局あなたにはこの日の記憶あるのかないのかどっちですか。
→今はうっすらしかかないです。

さっきの甲204の後ろから2枚目のところ、訂正を申し立てた後のやり取り。それはいつのこと。
→島田さんが署名指印した後です。

左のところ、6行目。「島田、目を通して署名指印」と書いてあります。

甲204

これは、この箇所で、破棄された弁録に署名指印したという一節ではないんですか。
→はい。

それより上の4行は、ゲラを見てる段階のことですよね
→いや、ですから。かなり端折っているので。しかも、弁録廃棄の報告書を書くために、私が認識している経緯をまとめただけなので、そこはさらっと書いてます。

 端折って書いているというのは、全部を書いていないという意味か、ありもしないことかという意味か。
→当時の状況について詳しく書いたものではないということです。

端折ったから不正確だということですか
→不正確と言うか省いている

全部書いたわけではないと言うことですか
→はい。

 <左陪席裁判官>
先ほどから示されている甲204だが、今回、あなたの陳述書の乙53・乙103を作成するに当たり参照したのか
→さらっとしか見ていない、いや、見ていないかも。

ノートと記憶は同じか
→概ね合っています。

被疑者弁録報告書について、完成させるまでにあなたがノートを安積警部補に見せましたか
→見せていません

意見を取り入れてもらうためやり取りがあったということだが、あなたの記憶を述べるために見せたという訳ではないのか
→見せていないが、コメント文書とだいたい同じことが書いてあり、口頭で擦り合わせた。

島田さんの取調べの際、あなたは安積警部補の後方と言うことだが、距離としてはどのくらい
→1メートルくらい

すぐ近く
→まあ、1歩程度の距離

手元は見えにくいが、やり取りは基本的にすべて聞いていたと言うことか
→声は聞いている

 <裁判長>

甲204は元はノートですね
→はい。

 表紙と中のページがコピー
→はい。

取調べに同席の際にこのノートを持ち込んでいた
→はい。

3月11日に書いてあるところ、もう1回3月11日とある。最初の方は持ち込んだその日かその直後か
→弁録が廃棄された後に作りました。

単純な質問なんでもう一回聞きたいんだけど、最初の3月11日の記載はこれはどこで書いたの
→3月11日に取調室で書きました。

聞きながら書いたと言うことですよね
→はい。

 前後の関係あるが、一度弁録が出来て、島田氏は自分と違うことを言っているという話ですね
→はい。

大きく2つの話題、指示とガイダンス。指示は社長の話ですね
→はい。

ガイダンスと言っているのはガイドラインだと思うがあなたの理解は何か。島田さんは何を言っていたのか
→曝露防止といったものが当たると書いてあるが、それは経産省からあらゆる方法と示されていたのに矛盾があると

いや、島田さんが何と言ったのに書いてもらっていないと言う話。島田さんの希望は
→ガイダンスがあるんでCIPだと思っていたと。

 CIPだと思っていたいうのは、ガイダンスをみてCIP付が要件ハに該当すると思っていたということか。本件要件ハ該当が
→はい。

その後に安積さんが説明して納得したということ
→はい。

ガイダンスの話はしたの
→さんざんやり取りして、矛盾すると説明して島田さんは納得しました。

安積さんの説明聞いて納得したと
→はい。

甲204示してもらえますか。2枚目の3月11日の右側の「弁録」

甲204

「ガイドライン・・・については非該当(少し涙目)」は島田さんの発言か。
→そうですね。

甲204

 その次のページで、ガイダンスがもう1回出るが「ガイダンスの判断基準・・そう書いてください」というのは、そのように書いてくれと島田さんが頼んだと読んでよいか
→はい。

あなたの理解は。安積さんが説明して、島田さんが納得したという順序ですか。
→はい。

以上

 

 

 

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和田倉門法律事務所
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