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「女性に下駄を履かせるのか」

コーポレートガバナンス・コードが改訂され、取締役会のみならず、社員を含めたダイバーシティが求められることとなりました。

各社でも女性登用の動きが活発化しています。

りそな、女性管理職4割以上に 30年度にグループ6社で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD22CUO0S1A620C2000000/
ソフトバンク株主総会
「2030年までには女性の管理職の数を倍増させ、35年には同比率を20%(現在は約7%)に引き上げる」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC222NV0S1A620C2000000/

企業がこのような動きを始めると、こんな意見が出ることがあります。
「女性に下駄を履かせるのか」
と。

いやいやいやいやいや。
「女性に下駄を履かせる」のではありません。
「男性に下駄を脱いでもらう」だけです。
みんな一緒に裸足でぺたぺた歩こう、というだけです。

もっと有り体に申し上げますと、
「おじさま、今まさにアナタが下駄を履いているんですよ。」
ということです。

生活に必要な雑事は奥様に丸投げ、家事も育児も「お手伝い」する程度で自分の時間をなんとも贅沢に仕事にだけ使うことができ、周りにどれだけ優秀な女性の同僚や部下がいても優先的に経験を積ませてもらい、「女だてらに頑張るよねえ」なんて全く言われず、「そんなに怖い顔してたら嫁に行けないよ」と心を挫けさせるようなことも言われず。
そんな状況、まさに「下駄を履いている」のではないでしょうか?

もちろん、そんな下駄を履かずに素晴らしいお仕事をされる男性もたくさんいらっしゃいます。
そんな男性陣には大変に失礼なお話となってしまいました。
しかしながら、冒頭のように「女性に下駄を履かせるのか」と仰る男性は、大体においてご自身が高〜い下駄を履いていらっしゃいますよねえ…ということなのでした。

弁護士 野村彩(のむらあや

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和田倉門法律事務所
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