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城塞(上)(中)(下)【5文でBOOKレビュー17】
"5文でBOOKレビュー”マガジンの更新が滞っておりましたのは、この超長編作品の鑑賞に集中していたためでした。
上・中・下巻の総ページ数およそ1,400頁!
「20代の頃の自分に伝えたいことは何?」って言われたら、今の私ならきっと司馬先生作品を読め、特に城塞は読んでおけって話すと思います。
人間社会という場所の厳しさ、不安定さ、虚しさ、そしてその力量は様々ながらも権力を求めて止まない種類の人間たちの卑劣さ、狡猾さ、滑稽さ。
現代も大して変わらないなと思う…自分もそうなれというのではなく、世の中というのは”そういうの”がウヨウヨいるもんだよということを承知した上で自分なりの正義を貫いていく、そういう心もちで生きたほうが、この生きづらい世の中もほんの少しは軽やかにわたっていけると思うのです。