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[ぼくの愛するクラシックロック] 不協和音が心地よい~キング・クリムゾン

誰でも人生を通してずっと影響を受け続けたミュージシャンがいるはず。ぼくにとってキング・クリムゾンはそのひとつです。
キング・クリムゾンほどメンバーの変動が激しく、時期によって曲調が変わったバンドも多くないでしょう。デビュー作にして不滅の名盤とされる「クリムゾンキングの宮殿」とエイドリアン・ブリューが常連となった後期のアルバムを聴き比べたら、本当に同じバンド?と思うかもしれません。

しかし、ずっとクリムゾンを聞いてきた人ならわかると思いますが、他のメンバーの影響を受けつつも、このバンドはフリップ先生のバンドなので、いつの時代のアルバムでも共通した部分は多くあり、聞けばクリムゾンじゃねえかとわかるのです。
特に不協和音の心地よさ(人によっては心地悪い)、そして激しい静と動の落差とかうるさいくらいハード(後期はヌーボーメタルとか先生は言ってますが笑)な音の中にしみこんでいるヨーロッパ的な叙情性と狂気!
例えば初期のアルバムであまり評価の高くない「リザード」というアルバムの一曲目「サーカス」。


まさに静と動、不協和音の嵐、それでいて叙情的で狂ってる。このアルバム名盤だと思うけど、それ言うとみんな名盤になってしまうからいいません(笑)。特にギタリストの観点からいうとフリップのアコギが素晴らしいです。とてもじゃないけどコピーできないですね。

次にぼくがクリムゾンの最高傑作だと思っている「Fracture」。

おそらくウェットン、ブルーフォード、デビッド・クロスと組んでいた3部作が一番人気があると思いますが、その中でもFractureは出色です。キング・クリムゾンのすべてがこの曲に詰まっているとっても過言ではない曲。ただ難易度も高く、フリップ先生をもってして一番むずかしいと言わしめる曲です。不協和音、静と動、叙情的で狂気の世界。

エイドリアン・ブリュー参加後は例えばFracturedはこんな感じです。

ブリューはデビッド・ボウイ等たくさんのアーティストと共演していますが、キング・クリムゾンに加入したとき「大丈夫?」と思いました。無用な心配でしたね。結局一番クリムゾンに在籍期間の長いメンバーになりました。彼の異質なギターがクリムゾンの狂気性とあうんでしょう。ぴったりフィットしています。

ぼくは2000年のライブに行きましたが、友人から聞いた話があって、クラッシック音楽に詳しくどんな和音でも聞いただけでコードネームがわかるひとと観に行ったら「なにこの和音?」とびっくりしたそうです。納得ですね。

最後に彼らの代表曲、太陽と戦慄part1を紹介してこの記事を終わります。パート2より好きなんですよね。

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