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最近観た映画~ゴッドファーザーPart2やメルヴィルのノワール映画など

ここ半月ほどで観た映画についての感想です。
まず1960-70年の仏ノワール映画の巨匠メルヴィル監督の二作。

仁義
リスボン特急


いずれも当時人気絶頂だったアラン・ドロンが出演している犯罪もので、仁義ではドロンは強盗側、後者では警察側で出演しています。イブモンタンやカトリーヌ・ドヌーヴ、リチャード・クレンナなど共演者も豪華ですが、やはり独特の暗く淀んだ退廃的なムードをかもしだす監督の手腕が光ります。わたしは何度も観ている猫好きの殺し屋が主人公の「サムライ」がこのシリーズでは最高峰だと思っていますが、今回の二作も悪くないですね。リスボン特急のほうは、ちょっと話が散らかりすぎるので、出来としては「仁義」のほうが良い気がします。
いずれにしても強盗を扱った映画は数あれど、ハリウッド映画の華やかで無鉄砲で騒がしい描写(それはそれで魅力があります「俺たちに明日はない」などは素晴らしい)とは違って、仏映画は犯罪映画でもしっとりした叙情があるので(リスボン特急でドロンがピアノを弾くシーンなどは素晴らしいです)、疲れたときにはこういうのを観たくなります。


次にホラー映画ですが

死霊のはらわたⅡ
死霊のはらわたライジング


名作「死霊のはらわた」とそのリメイクは既に観ており、傑作なのですが、この2つは正直ハズレでした。前者はホラーというかほぼコメディですね。後者はスプラッタしたいのでしょうが中途半端で全然だめ。時間の無駄でした笑

アニメですが、

アシュラ


ジョージ秋山の超傑作にして当時過激すぎて物議をかもした原作、映画化されてたんですね。気が付きませんでした。これは素晴らしかった!

一気に惹き込まれ最後まで観てしまいました。グロい描写が苦手な方はやめたほうがよいでしょう。しかし、こういう時代があった、いや世界には今もあるということをわれわれは認識しておいたほうが良いです。そのため子供に見せたらだめとかは違うと思うのですね。こういうものを観てこそ、自分たちがいかに恵まれた生活を送っているかを認識できるのではないでしょうか。

そして安定の
ゴッドファーザーパート2

学生のころ、1と2の二本立てを映画館に観に行ったこともあった(合計6時間!)くらい好きでしたが、やはりパート2は20世紀最高峰の映画だと今も思います。
マイケル(アルパチーノ)と今は亡き父ビトー(ロバート・デ・ニーロ)の回想が交差しながら進むのですが、特にビトーの回想部分は、最初にシチリアを追われてアメリカにやってくるときに象徴的に映し出される自由の女神や、地元のドンを暗殺するときのキリスト像や、そのときそのときの演出が素晴らしく、3時間もの大作でありながら時間を忘れて見入ってしまいます。
行動力があって仁義に厚く家族思いで仲間から慕われるビトー。ファミリーを守るために懸命に戦っているのに信頼できる仲間が減っていき孤独になっていくマイケル。そのふたつが対照的に描かれています。家族という源流は変わらないのになぜこうも違うのか。考えさせられる映画です。

最近観た映画の紹介でした。

それではまた!

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