16、ロマンティックバレエから舞台芸術、そして今。ダンスの歴史からひも解く、コヒージョン(社会的包摂) #コミュニティダンス
この2ヶ月、英国では ”気付いたら混ざっていた”、老いも若きも、ダンス!ダンス!ダンス! #arts4dementia @RoyalOperaHouse 、世界ゴールド祭にて、教わる”体操”から、自らを”表現”する動きへ #ダンスワークショップ と立て続けに体験している、ダンスについて。もっと歴史の流れを学びたいと思っていた矢先に開催されていた「コミュニティダンス・ファシリテーター養成スクール2018」の公開講座、舞踊評論家の稲田氏による「ダンスの歴史」の時間に飛び込んできました。メモが止まりません。
コミュニティダンスとは
ダンス経験の有無・年齢・性別・障がいに関わらず、「誰もがダンスを創り、踊ることができる」という考えのもと、アーティストが関わり、“ダンスの力”を地域社会の中で活かしていく活動です。
近年、日本でも教育・福祉・医療・まちづくりなど社会のさまざまな場で、“ダンスの力”を活かそうとする動きが広がりつつあります。また同時に、それらの現場で活動するアーティスト=コミュニティダンス・ファシリテーターが必要とされています。(サイトより)
コミュニティダンス・ファシリテーターとは
ワークショップ等の活動において、参加者一人一人の表現力や創造力を引き出し、全体を目的に向かって進行する役割。子どもから大人まで、場合によっては、これまでダンスからは遠い存在だった方々を対象に、包括的な視点をもって取り組む力が求められます。また、参加者のダンステクニックやスタイルを上達させる事ではなく、ダンスの持つ根源的な魅力や楽しさを参加者と共有することを目的として、クリエイティブな活動を行う事が重要です。
「ダンスの歴史」をひも解くと、時代背景を投影したものが「ダンス」として表現され、市民を(16世紀は特に政治的な意味合いを持ち)鼓舞もするし、時代にあえて問いを投げかけるものとして存在してきたと理解できます。(そもそも、バレエは貴族、階級が色濃く反映されていますが、最初は男性が踊るものだったと知り唖然!)
バレエダンス=踊りだったものが、20世紀初頭に、今でいうプロデューサーにあたる人物が、チーム(カンパニー)を率いて、バレエダンスを音楽や照明、装飾など総合した、=”総合芸術”として確立した。そのチーム(カンパニー)には、当時異端児扱いされたダンサーで、今なお名を馳せている人物もいれば、パブロ・ピカソやココ・シャネルが舞台芸術、装飾を担当した記録が残っています。スーパーチームだったわけですよね。なんだか鳥肌が立ちます。
ダンスの表現は、ある時期は形式に沿った形、ある時期は反形式的、といった具合に互いを行き来します。
英国でのコミュニティダンスは、1976年頃から盛んに行われるようになり、1990年代以降のブレア政権下で急速に発展しました。ダンスの変化とともに、文化政策の変化が起きます。少数エリートのための高級な芸術から、より多くの人がアクセスできる芸術へ(Arts for all)。同じくして、教育政策にも変化が。資源のない英国において、もはや詰め込み教育ではなく、子どもがよりクリエイティブな発想を持ち生きていけるように、教育が変わっていく必要性が高まってきたわけです。あれ、どこかで聞いた話。そう、日本も本当によく似ている状況なんですよね。
決定的に違うのは、文化への眼差しかなと。これは個人的な意見です。15世紀の英国のバレエ、宮廷舞踏は、日本でいう能楽。17世紀ごろでいうと、文楽や歌舞伎がそれにあたります。でも、19世紀末にバレエやモダンダンスの移入が始まり、もうかなりごちゃごちゃしてしまった。結果、何が日本おいての文化なのか、ちょっと見定めがつかない状態になっているし、文化への投資に積極的ではないなと。
話を戻して、コミュニティダンス。これは大いなる可能性を秘めています。私が今まで、ケアの現場に何が足りないのかなと模索してきたヒントがここにあると思っています。日本での実践事例の情報も手に入れられました。
環境の設計において、こうした歴史背景をインプットするのはとても影響を及ぼしますね。この時代において、何をどう表現するのか。今、始まったばかりです。
当日、会場でお話しできた、Ceciliaさん。Oxford Youth Danceの設立をはじめ、30年以上にわたり、子どもから高齢者まで幅広い年代の人たちと一緒にダンスを創り、英国のコミュニティダンスを牽引してきた一人。もうとても気さくな方。一気にファンになりました。ケアの課題をそれぞれ確認し、再会を誓って。(こちらに紹介文がのっています)
写真は撮れませんでしたが、英国のコミュニティダンスを牽引してきた一人であり、これまでFoundation for Community Danceのサマースクールにおいてコミュニティダンスの実践者(ファシリテーター)の為の入門コースを共同開発者、Dianeさんとも話ができました。
このDianeさん、 ”気付いたら混ざっていた”、老いも若きも、ダンス!ダンス!ダンス! #arts4dementia @RoyalOperaHouse 、で講師をしてくれていたダンサー、Danielさんとお仕事をされているとのことで、おお、今月彼女のワークショップ参加してきたよ!ともう、私もすっかり興奮してしまいました。世界って、狭いです。
藤岡聡子
株式会社ReDo 代表取締役/福祉環境設計士
info(@)redo.co.jp
http://redo.co.jp/
私、藤岡聡子については、下記記事を読んでみてください。
・灯台もと暮らし
【子育てと仕事を学ぶ #1 】藤岡聡子「いろんなことを手放すと、生死と向き合う勇気と覚悟がわいてきた
・月刊ソトコト 巻頭インタビュー
・soar
「私、生ききった!」と思える場所を作りたかった。多世代で暮らしの知恵を学び合う豊島区の「長崎二丁目家庭科室」
おまけに:
読み物:人の流れを再構築する、小さな実践について|藤岡聡子
人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴っているマガジンもあります(本音たっぷりで書いています。)