【経理・経営者向け】これでもう勘定科目には迷わない!勘定科目の設定方法
勘定科目には決まりがあるのか?
タイトルと思いっきり矛盾しているような気がしますが、勘定科目って「こうしなくてはいけない」っていう決まりはありません。しかし、某知恵袋とか某教えてほにゃららでは、例えばこの経費の勘定科目を教えてくれというような質問が散見されます。
勘定科目って結局社内の管理で使用するものなので何でもいいんです。
なのに、世の中の風潮としてAという取引はA費という勘定科目にしなさいだとかA費じゃなきゃいけないみたいなものがある気がします。
要はその科目が何を示しているかわかれば良い
しかし、何でも良いというのは「その科目が取引の事実を表している」という前提が成り立っているのが前提です。
最終的には貸借対照表やら損益計算書やらが銀行や取引先の目にとまることになるわけですが、決算書を見た際にその人たちが事実を勘違いしなければいいわけです。
物を販売して掛け取引とした場合に借方の科目を現金とする人はいないと思います。貸方の科目を固定資産売却益とする人もいないでしょう。
それは何故か?その科目が事実を反映していないからです。
借方に現金とあったら簿記の知識が少しでもある人であれば「ああキャッシュが増えたんだな」と判断するでしょう。しかし、実際にはお金は入ってきていません。貸方に固定資産売却益とあったら固定資産を売却したのかなと判断するでしょう。しかし当然固定資産は減っていません。減ったのは棚卸資産です。
商品を掛け販売した際の仕訳としては簿記の教科書とか問題集とかだと、
(売掛金)××/(売上高)××
が正解とされているので、あたかもこうしなければいけないという刷り込みが行われているのだと思います。私も最初はそう思っていました。
しかし、そんなことはありません。
「その取引の事実が反映されていれば」何でも構いません。
会計ソフトの科目に合わせるのもアリ
「とは言ったってわかんないよ!」という意見もごもっともだと思います。
その場合は使用されている会計ソフトでデフォルトで設定されている勘定科目の中から一番実態に近い科目を選択するのもありでしょう。
弥生会計などは経理初心者でも使いやすいように作られているため、予め色んな勘定科目がセットされています。
それらは使用される頻度が高いであろう科目が列挙されているので大体の取引の内容をカバーできているのではないかと思います。
当然ERPだとかスクラッチ開発した会計システムを使用している場合は1から勘定科目を設定しなければいけないので大変ですが、そういった会社は「勘定科目は何にする?」というような疑問は出てこないレベルでしょう。(楽観的推測ですが・・・)
そして、どの科目も適切ではないような場合に新たに科目を作成するというのが一番効率的だと思います。雑費のようなワイルドカード的な科目もありますが、積極的に使うものではなく、金額が少額だったり、めったに出てこないような取引で使用すべきでしょうね。
会計基準にある設例に従うのもアリ
会計基準でも例題が載っているケースがあります。これはどちらかというと高度な会計処理に限定されますが、企業結合や税効果等の適用指針で会計基準で想定している設例が掲載されています。
そこに仕訳例が載っているのでそこで使用されている科目を流用するのも1つの手段でしょう。
(適用指針は非常に細かく量も膨大で、全てを覚えることは実質不可能なので専門家に依頼するほうが結果的に良かったというパターンが多そうですが、企業結合はどの会社にも起き得るのでどういう設例があるかくらいは眺めても損は無いでしょう)
とはいえ、決算書で表示される科目は決まっている
ここまで書いてきたことを否定するような感じになっていますが、「勘定科目」と「決算書の表示項目」は異なります。
管理が面倒なので両者を同一にしている会社も多いとは思いますが、最終的な貸借対照表や損益計算書に表示する科目はきちんと法律で決められています。
続きます。
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